銀行が行なう不動産賃貸事業用の融資には5つの観点があると言われます。
その5つの観点というのはこうです。
1.健全性
2.公共性
3.収益性
4.処分性
5.成長性
(「け・こ・しゅ・しょ・せ」と覚えています)
↑五十音順ということ以外に特に意味はありません
健全性→既存事業はキチンと利益が出て事業として成り立っているかどうかを貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)などを見て判断
公共性→融資先事業者、および融資を求める物件に違法建築や反社会的勢力との関係がないかなどを確認
収益性→銀行側にとっての収益がキチンと見込めるかどうか?リスクが大きければそれだけ高金利にせざるを得なくなる
処分性→万が一の場合、すなわち融資先が債務不履行に陥った場合に、担保等を速やかに現金化することができるかどうかを判断
成長性→融資先の事業の将来は有望かどうか?を問うもので、融資先の収益が黒字経営であることを見込めるかどうかを判断
この5つの観点に沿って融資が適正か否かを銀行サイドが判断していると聞きました。
適正と認めることができるなら、担保を取って(=抵当権を設定して)融資を実行する・・・というわけです。
そうだとすれば、投資家側としては事前にそれらすべてに「イエス/大丈夫」と言えるだけの根拠資料を用意すればいいだけです。
つまりは、意識の焦点を前もってどこに当てておくか?・・・が大事だということです。
闇雲に漠然と融資を申し込みに行っても銀行側の観点に沿って判断されるだけですから、そこで一つでも大きく外れた項目があると融資はおりません。
孫子に言う「彼を知り己を知れば百戦殆からず」ということです。
金融機関へ行って融資を受けたいと思うなら、その目的が不動産賃貸事業に限らず、上記の観点を参考にすると良いと思います。
自分が申し込もう/受けようとしている融資に果たして「正当性」はあるか?・・・を問うてみることは大事だと思います。