郵便は速達にすることで料金が上がります。
普通列車より速く走行する特急や新幹線のほうが料金は高くなります。
このように、「早い(速い)」ということには、それだけで価値があるとみなされることが多いものです。
仕事でも、遅い出来上がりより早い出来上がりのほうが上司のウケは良く、従って「早い仕事は良い仕事」と言われます。
でも、早さだけに囚われているのもあまりうまくありません。
早さよりも内容・・・質・・・が問われる場合もあるので要注意です。
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一般的に、営業マンの仕事は「商品を売る」ことであり、しかも会社側・上司から圧力をかけられてプレッシャーを感じているので、彼ら・彼女らは「早く売る」こと/数字ノルマを「早く達成する」ことを意識しています。
決して「高く売る」ことなんて意識していません。
なぜなら、「高く売ろうとしたら早く売れなくなる」・・・からです。
極端なことを言うと、早く売るために「価格を下げたがり」ます。
最初は高い価格を提示しておいて、その後に交渉されれば売値を下げていくやり方です。
でも、よくよく考えてみれば、会社側としては同じ商品が同じ期間内に同じ数だけ売れるのなら、少しでも高く売れたほうがベタ―です。
「売上=商品価格×販売個数」だからです。
そう考えると、普通の営業マンがしていることは、会社の利益に即した仕事ではない・・・とも言えます。
つまり、会社側の意向に沿っていない、ということです。
でも、それをそうさせているのが上司であり、それはそれでダメリーダーなのですが、そのダメリーダーを職に就けたのは会社側の責任なので、すなわち自業自得・・・とも言えます。
でも、ちょっとおかしな話です。
営業部門の上司は、部下たちが「早く売上を立てる」ことに重点を置くがゆえに、価格を下げて売上高減少を招いてしまうことに目を光らせてチェックすることが必要です。
営業という観点で大事なのは、あくまでも売上を予算どおりに計上することであって、早く計上することではないからです。
ややもすれば易きに走ってしまいがちな営業マンの姿勢を正してあげることは適切な上司であれば至極当然の職務であり、そうしたリーダーを育てることも経営者の大切な役割だと思います。