会社が倒産してしまう原因の大半は、手元にキャッシュ(現金)が無くなってしまうことにあります。
売上が上がらないとか、業績が赤字だから倒産するのではなく、たとえ売上があがって帳簿上では黒字経営になっていても、実際の手元にあるキャッシュが0円を下回ってしまうと、結局現実の世界では支払いができなくなって倒産に追い込まれます。
逆に言うと、たとえどんな事態になっても、キャッシュが手元にありさえすれば会社が潰れることはありません。
世間では「黒字倒産」という言葉があるように、キャッシュが無くなるとたとえ帳簿上は黒字であっても倒産してしまうことが往々にしてあるものです。
経営者はとにかく「使う予定のないキャッシュ」をある程度は手元に置いておくことが重要です。
「ある程度」・・・とは、おおよそ月商の2~3か月分くらいが一つの目安になると思います。
お金が無くなったら銀行から融資を受ければいいのでは?・・・と考える人も多いのですが、銀行融資の手続きには相当時間がかかります。
今日言って、明日融資を受けられる・・・なんてことはまずありません。
少なくとも数週間はかかるとみておいたほうが無難ですし、そもそもそんな状態に陥っている会社や個人事業主においそれとお金を貸してくれるほど、銀行は甘くありません。
「晴れた日に傘を貸し、雨の日には貸さない」・・・のが銀行のお決まりのパターンです。
大事なのは、普段から「少し多めに」お金を借りることで実績とキャッシュの余裕をつくっておくことです。
そもそも「お金を借りる=利子を支払う」ですから、抵抗を感じる人は多いかもしれません。
確かのその気持ちはよくわかります。
本来支払う必要のない余計な利子を支払うのはもったいない話で、意味のないことのように思えます。
でも、そこが大事な点です。
何度も言いますが「実績とキャッシュの余裕」をつくることが大事で、これが未来の担保となります。
仮に融資の金利を年2%とし、500万円を5年間借りたとしても、月の利子は約4千円ちょっとで済みます。
月々4千円強のコストで500万円を借りることができれば、倒産しにくい状況が作れます。
4千円でも無駄になる、もったいない・・・と考える人もいらっしゃると思いますが、万が一の時のための「掛け捨ての保険」と思えば良いと思います。
ビジネスは水モノ・・・とも言われますが、いつ、何時、どこで、どのような不測の事態が起きるとも限りません。
万が一の時のために助けてくれる金融機関は1つよりも複数が良いのは当たり前で、そうしたことがないことが一番ですが、でも、経営者という立場で社員を守るという使命感と責任感を全うするためにはやはり「安心と安全」を確保・担保する必要があります。
ビジネスを経営するなら「手元にキャッシュを!」・・・の意識は大事だと思います。