かつて、高度成長期と呼ばれたころの日本は「先進諸国に追いつき、追い越せ!」が合言葉でした。
そのため、試行錯誤を繰り返して新しい分野を開拓するよりも(←うまくいくかどうかリスクが高い)、他の先進国がうまくやっていること、世の中で流行していること、すでに需要があると明確にわかっていること・・・等を中心に手掛けて、さらに日本独自の創意工夫をそこに加えることで競争してきました。
「自分は労力を使わず、他で顕在化、確証されるのを待ち、後出しジャンケンでそこに乗る」・・・という手法はある意味では最強のビジネスモデルです。
日本はこれで世界に出て行ったわけです。
需要があって売れるとわかっている既存商品群を改善し、さらに安い価格で提供する・・・というやり方で、急成長・発展しました。
たとえば、松下電器(現・パナソニック)はマネシタと当時揶揄されたこともあります。
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新卒の人材募集で優秀な(優秀と思われる)人材を採用する一つのコツは、応募条件に「他社で内定をすでにもらっている人」という手があります(←実際に募集要項には書けませんが・・・)。
内定が出ていない学生は他社の人材採用担当者から見て魅力がないということで、そうした人は自社には来てほしくない・・・という発想です。
言い換えれば、「他の会社に人材選抜をしてもらって、その優秀な人の中から採用を行う」というようなことです。
他で優秀な人材だと証明されていることに乗っかって、自分は極力労力を使わない・・・ということです。
本来の後出しジャンケンは、後出しだけに必ず勝てますが、この採用の場合は自社に他社以上の魅力がなければ勝つことはできません。
気をつけなければいけないことは、その場一瞬の勝利は勝ち得ても、継続的、持続的に勝ち続けることの証左にはならない・・・ということです。
ビジネスにおいて常に万能の手ではありませんが、一部取り入れてみることなら有効だと思います。