心理学者のフロイトによると、人間には
1.快楽を求めたいという習性 と
2.苦痛から逃れたいという習性 がある・・・と。
ほとんどの人は、まずは「苦痛から逃れたい」と考えると思います。
例えば、歯医者に行くことを考えたとき、
1.ホワイトニングをして歯を白くして他人からよく思われたい(かっこよくみられたい)・・・という欲求と、
2.歯が痛いので虫歯を治したい・・・という欲求で考えれば、
まずは2.のほうの欲求が勝り、先に虫歯を治そうとすると思います。
「同じ状況なら快楽より苦痛回避を求める」・・・こうした習性はもしかしたら人間を含めたすべての生物に当てはまるものかもしれません。
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ビジネスもまた人と人が行なう行為ですから、基本はこの2つの欲求解消+両方の組み合わせを前提に成り立っています。
気づいているかどうかは別として、どんなビジネスもその根幹にはこれら2つの欲求解消のいずれかもしくは両方が盛り込まれているハズです。
だから、目ざとい経営者・リーダーはそうした観点で商品開発を行ない、そのうえでマーケティングや営業活動を展開しています。
快楽を求めるという欲求を満たすビジネスの代表例は、エンターテイメント系ビジネスです。
スポーツ観戦、映画や音楽、演劇、テーマパークなどです。
苦痛から逃れたいという欲求を満たすビジネスとしては、人が困っていることを解決したり、代わりにやってあげるような問題解決・代行ビジネスがその代表例です。
大家業、医者・弁護士、会計士、経営コンサルタント、清掃業、運送配達業、タクシー業などがあります。
そして両方を満たす「苦痛から逃れさせてもらえて、なおかつ楽しい」ビジネスとしては、レストラン、ブティック、旅行代理店、エステサロンなどがあります。
自社のビジネスは「快楽を求めたい」ほうに入るのか、「苦痛から逃れたい」ほうに入るのか、それとも「両方の要素を○:○の比率で持っているのか」を意識してみると面白いかもしれません。
そんなちょっとしたことから新たに気づきが得られ、ビジネスの新展開や戦略を立て直すきっかけとなるかもしれないと思います。