サラリーマンの中には社内で上の立場になって高給取りになると「世間でも高給取りができる」と自分を過信・カン違いをしてしまう人がいます。
確かにそういう人もいますが、多くの人は「その会社内限定での高給取り」止まりです。
世間でも高給取りになるためには、それなりのスキル・・・とりわけ「営業力」が必要です。
この営業力には「マーケティング力や交渉力や販売力」を含みますが、会社内の営業部門に所属しているからといって必ずしもこの能力が高いとは限りません。
なぜなら、たいていの場合は仕組みが出来上がった状態の営業部にたまたま配属されて、その後社内で出世したに過ぎないからです。
ゼロから自分で営業部門を立ち上げて発展させたわけではないからです。
以上はあくまでも高給取りの話であって、「世間で別に高給取りでなくていい」と思うのであれば、ある程度のスキル・能力を持っていれば何とかなると思います。
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高偏差値の大学を卒業して大企業に勤務し、社内でも順調に出世して社会的な地位も名誉もある・・・という状態から、欲をかいて定年前に独立起業を夢見る人がいるかもしれません。
最後に一花咲かせよう!と一念発起する姿勢は立派ですが、でもその人に「営業力」がキチンと備わっていないとしたら独立後に痛い目に遭うと思います。
アドバイスとしては「独立しないで定年まで会社にしがみついたほうが良い」・・・です。
地位も名誉も現在の高給もいったんリセットして自営業者(たとえ形式上は株式会社の代表取締役であっても)の道に足を踏み入れる勇気には感服します。
でも、サラリーマンのように黙っていても毎月会社から安定的に給料が振り込まれるのと、独立して自分で稼がないと1円も収入が入ってこないのとでは雲泥の差があります。
最初からうまくいかないのは覚悟のうえ・・・とは言うものの、その後もずっと失敗を繰り返し、やがて何をどうすれば良いのかわからなくなって身動きが取れなくなり、あるのは毎月貯金を切り崩すばかり・・・だと、結局最終的には社会的に何者でもなくなって終わりになります。
予想されるのは、家族からの冷たい視線と冷酷な言葉「だから、独立するのに反対だったのよ!」・・・です。
預金通帳の残高が毎月目に見えて減っていくのと同時にそれまであった多くのモノを喪失することになるのはきっとかなり辛いハズです。
その喪失感は半端ないレベルだと思います。
だから、定年少し前に会社を退職して独立起業をするという選択肢を取る際にはよくよく自分の力量を考えたうえで実行する必要があると思います。
少なくとも、それなりの営業力を有していない人がそれをやるとほぼ失敗するという意識が必要です。
逆に言うと、
1.定年少し前ではなくもっと早く独立する
2.営業力を身につけ高める努力をしておく
という状態からの退職・独立であればうまくいく可能性はグッ!と高くなります。
サラリーマンとして働かせてもらっているうちに副業として「何らかのビジネスモデルを構築しておく」という意識を持つとさらにベターです。
いわゆる「二足のわらじ」状態で確実に稼げるようになっておくと精神的にかなりラクなハズですし、家族の心配や不安も解消できます。
「二足のわらじ」生活は大変だと思いますが、それは将来のための「産みの苦しみ」だと思って耐えるところです。
営業力に乏しい状態で調子に乗っていきなり外の世界に飛び出すことのないよう、特に高給取りで高年齢のサラリーマンは気をつけたほうが良いですね。