会社や官公庁等の団体が単なる人の「群れ」と違って、「組織」として機能するためには、いくつかの条件があります。
単なる人の群れに過ぎない集団にはなくて、組織という人の集団には必ずあるものは例えばこうです。
1.目的が明確
2.役割が明確
3.権限と責任が明確
4.ルール(規則)が明確
5.信賞必罰が明確
4の「ルールが明確であること」については、重要なことが一つあります。
それは、「ルールは都度改正されていくべきもの」・・・ということです。
時代の変化とともに、ルールにも変わって良いこと、変えては(変わっては)いけないことがあります。
「ルールを守ること」はもちろん大切ですが、そのルールが適切かどうかを見極めることも重要になってきます。
しかもその旗振りをするのは上位職に就いている者であり、それが上位職者の責務の一つです。
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たとえば、国の憲法を国民が守ることは大切ですし、その憲法が適切かどうかを見極めることも時には必要になってくるのは至極当然だと思います(実際に改正するかどうかは別問題として・・・)。
同じように会社や自治体のルールを守ることはそこに所属している者には必須ですが、あわせてそれが適切かどうかを検討する姿勢が責任者に欲しいところです。
過日、東京都知事の舛添氏の公用車別荘問題で、知事は「ルールを守っているから問題ない」という言い方をしていましたが、大事なのはそこではなくて「そのルールが合理的なのかどうかを普段から追及する立場に自身がある」ということだと思います。
それが組織の長に課せられた役割の一つです。
私は、上場企業勤務だったころ、いろんなルールの改正に腐心しました。
上場前からある不合理なルール・・・、昔からそうやっているから・・・といった理由だけで正当な根拠が見受けられないようなルールはどんどん改めました。
自分(個人)にとってはありがたい制度でも、会社全体から見て公の立場で考えると全体最適になっていない制度はどんどん改めていきました。
それが責務だと理解していたからです。
また、リーダーがルールを守ることは当然ですが、「ルールを守る=合法」の上位概念にある「道徳」と「倫理」を高く持つことも重要です。
東京都政では今、この点が問われているのかもしれないですね。
倫理観の高いリーダーがいることで、所属する社員(職員)たちは安心して普段の業務に専念できるのだと思います。