野球選手で巨人のエースとして活躍し、後に巨人の監督としても活躍された藤田元司(ふじた もとし)という人がいらっしゃいます。
もう亡くなられましたが、1931年8月7日生まれなので存命だったら今日で92歳ということになります。
かつて投手としての心構えをこう話しておられました。
「野手がエラーをすると怒りを表に出す人もいる。
でもエラーさせるような所に打たせた俺が悪いって思うんだ。
いつも守ってくれるんだから、そこは大事」
エラーさせるような所に打たせた俺が悪い・・・とはまさに「自責の人」を表しています。
すばらしい人間性だと思います。
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会社などの組織では「上下関係」が存在しています。
そして、上位に位置する人は自分より下に位置する人にあれこれ指示をしたり、注意・叱責をしたりする権限を持っています。
部下のデキが悪い・・・とすべて部下のせいにして部下をなじることは簡単ですが、藤田元監督の考え方をマネすると「エラーさせるような所に配属した俺が悪い、できるように教育しなかった俺が悪いって思うんだ。いつも会社を守ってくれているんだからそこは大事」・・・となります。
上司がそんな考え方で部下に接してくれれば、部下だって上司の言うことを聞いてくれるでしょうし、もっと組織のため/上司のためにも一肌脱ごうと懸命に仕事に取り組んでくれるかもしれません。
部下の人間性にもよりますが、人は「返報性の法則」を行動で示そうとする生き物です。
すべての因は我に在り・・・と自責の発想を持ち続ける経営者でないと、部下との価値観の共有・組織力の発揮は生まれません。
組織力の発揮(1+1が2ではなく3にも10にもなること)を常に心掛けることは経営者/リーダーにとって必要な姿勢です。
上の立場にある人は下の立場にある人に対して「いつも守ってくれているのだから感謝の気持ちを優先する」・・・というくらい大きな器を持った人でありたいですね。