会社によっては、新入社員の研修教育の一環として数十キロも歩かせるところがあるそうです。
たとえ舗装されて歩きやすい道だとしても、皆がみんな同じ気持ちで歩いているか?・・・と言えば、決してそんなことはないと思います。
何でこんなことをしなくちゃいけないんだ・・・あ~あ、かったるいなあ・・・と否定的に思って行進している人もいる(むしろ多い?)と思います。
(まあ、先頭集団を歩くような人は前向きな気持ちで歩いているかもしれませんが・・・)
後方で歩く社員は仕方なくイヤイヤ歩いている・・・というのが本音かもしれません。
言えるのは、人数が多くなればなるほど集団の全員を同じ気持ちで歩かせようとするのは困難なことであり、それを求めてしまうのはダメな社長・リーダーの発想だということです。
人の気持ちを「同じ気持ち」にさせることは多くの場合では難しいものです。
まして、まだ入社したばかりで学生気分の抜けきらない若い社員たちであれば尚更で、しかもただ歩くだけ・・・とは!
気持ちを同じにさせるのは理想的ですが、ここで大事なのは「気持ちを同じにさせる」ということよりも「歩くという行動を同じにさせる」ということのほうに意義があると思います。
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同じ釜の飯を食った仲・・・という表現を日本人は好みます。
同胞意識/仲間意識を持つときによく使われる言い方です。
仲間は大切です。
特に、ビジネス社会では「組織における仲間」は強い団結力があり、外部との経済競争に勝つためにも必要な結束力になります。
組織力を生むためには「共通の目標」を掲げ、「共通の言葉」を使い、「共通の認識」を持つことが重要となります。
これら3つの共通項があれば、組織力は必ず生まれます。
そのために、前述の「歩行研修」がどれだけ役に立つのかはわかりませんが、まあ、みんなで同じ行動をとり、仲間意識を芽生えさせる・・・という点においては有効かもしれません。
でも、一番大切なのは、目的がどういうことで、どんな狙いがあってこうした行動をするのかを事前にキチンと説明をして、新入社員たちにそれなりの納得感を持たせること・・・にあると思います。
納得感、共感を持った人の行動と、そうでない人の行動には後々の効果に大きな差異が生じると思います。