経営者の中には「社員に仕事の経験を積ませればその中からリーダーが育ってくる」・・・という思考をしている人がいます。
確かにそうした面はあるのですが、でも、おおいなる勘違いになることもあるので要注意です。
これで育つのはベテランであって、実はリーダーとは限りません。
大量の経験でそれが「慣れ」となって、従前より手際よく早く処理できるようになる・・・のはタダのベテラン社員であって決してリーダーではないという当たり前のことを知ることも大切です。
優秀な経営者はちゃんと理解していますが、ダメ経営者はここを失念していると思います。
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内閣の組閣では、往々にして「国会議員の当選回数で大臣を任命する」ということが暗黙の了解のうちに行なわれています。
そのため、そのポストにふさわしいとは到底言えそうにないとんでもない大臣が時々誕生します。
国政のトップ組閣でさえ、ベテランとリーダーの違いがわかっていない・・・と言えそうです(わかってはいるけどそれ以上に逆らえない圧力があるのかもしれませんが・・・)。
「慣れの延長でリーダーを創ってはならない」という鉄則をトップリーダー/経営者は忘れてはいけないと思います。
会社は社長次第で、拠点は拠点長次第で、お店は店長次第です。
「組織の99%は長で決まる」というのはどの組織においてもほぼ言えることです。
だからこそ、トップリーダーには「長の育て方」を知り、体系的に捉えて実践していくことが求められます。
「長の育て方」の一番は「素材」の発見にあります。
よく言われるように「磨けば皆光るが、ダイヤはダイヤ、ルビーはルビー、サファイヤはサファイヤであって、ルビーやサファイヤからダイヤは創れない」ものです。
経営者はベテラン社員を重宝するのは良いですが、リーダー育成とベテランの重宝とは切り離して考えることが大切だと思います。