スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック博士の調査によると、こんな実験結果があるそうです。
最初に400人の子どもを対象に易しいパズルの問題を解かせます。
次に、子どもたちを200人ずつ2つのグループに分けて、
Aグループ → 頭いいね!才能があるね!と知性や能力を褒めます。
Bグループ → 頑張ったね!よくやったね!と努力について褒めます。
更に改めて子どもたちにパズルを解かせるのですが、今度は子どもたちに「易しいパズルがいいか、それとも難しいパズルがいいか」を尋ねます。
すると、Aグループの大半が易しいほうを選んだのに対し、Bグループは大半が難しいほうを選んだそうです。
→ ところが、実際には子どもたちには内緒でA・Bグループともに難しいパズルを解かせます。
その結果・・・努力を褒められたBグループのほうが才能を褒められたAグループよりも成績がよく、またAグループの子どもたちは「面白くなかった」と感想を言い、
Bグループの子どもたちは「面白かった」と感想を言ったそうです。
つまり、この実験で言えるのは「人は才能・能力を褒められるより、結果に至るまでの努力や行動を褒められたほうが長期的に自信を持ったり、モチベーションを維持することができる」ということです。
すばらしい結果を出したときには、その結果を褒めるのも良いのですが、そこに至るまでのプロセスを褒めることが長期的に見ればさらに効果的だ・・・と言えそうです。
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ビジネスも「結果オーライ」より「プロセスオーライ」です。
たまたま結果が良かった・・・ということもありますから、結果のみを評価するのは部下育成ではうまくありません。
適切なプロセスを経過してきたからこそ素晴らしい結果に辿り着いた・・・と、プロセスを評価してあげることが部下の成長に役立ちます。
頑張れ!は励ましの言葉で、頑張ったね!は行動を認めてあげる言葉です。
「認めてあげる」ことが「好評価」になり、人は「他者から好評価されたい」と思う生き物です。
努力や行動を肯定的に認めるだけで、人は自信を持ち心が安定します。
1.結果を褒め、2.そこに至る努力を褒める・・・そして才能や力量といった能力だけを褒めることはしない・・・これが部下育成では大切だと思います。