「何も起こらなかった」から「何も起きないようにしておいた」へ

※当サイトは個人ブログです。アフィリエイト、対価の伴う商品紹介等は一切行っておりません。
※当サイトのイメージ画像は https://pixabay.com/ 様に登録されているクリエイター様の制作画像を利用しております。
※当サイトのイメージ画像は、Pixabay様の定める「コンテンツライセンスの概要」を遵守し利用しております。

中国の古典に『漢書(かんじょ)』というのがあり、その中の「雀光伝(かくこうでん)」に「曲突、たきぎを移すには恩沢なく、焦頭爛額、上客となすや」という格言があります。

元はこんな話です。

ある晴れた日の田舎の話です。

一人の旅人が村の大金持ちの家の前を通り過ぎようとしたとき、煙突から火の粉が出るくらいに竈(かまど)の火が燃え滾っていることに気づきます。

「このままだと危ない!」と思った旅人は、親切心から家の主にその旨を告げ、火を弱めたほうが良いと忠言します。

ところが、その家の主は旅人の声を聞く耳を持たず、「よそ者が余計なことを言うな」とばかりに追い返します。

貴重な助言をもらったにもかかわらず、その重要性に気づかず、むげに断り、当然褒美をくれてやることもなかったわけです。

その翌日。

煙突から噴き出た火の粉が母屋のかやぶきの屋根に燃え移り、瞬く間に火の勢いが強くなっててんやわんやの大騒ぎになりました。

するとそこへたまたま通りかかった別の旅人が消火活動に飛び入りで参加して火消しに尽力しました。

頭を焦がし額を爛(ただ)れさせながら(=焦頭爛額)八面六臂の活をしたおかげで火は何とか食い止めることができました。

家の主はたいそう喜んでこの旅人(火消しを手伝った人)に褒美を与えた

・・・というお話です。

 

・・・・・・・・・・

こうした話はサラリーマン社会でもよくある話です。

 

物事の本質を見抜き、トラブルが起きる前にその予防を図ろうとした優秀な社員に対して、能力・器不足の上司なるがゆえに事の重要性に気づけず、むしろその優秀な社員を蔑ろにしたり叱責したりする・・・。

 

その結果、後にその社員が危惧した通りのトラブルが生じ、多くの社員たちがその解決に奔走せざるをえなくなり、会社は余計な労力と多大なる無意味な時間とお金を費やすことになる・・・。

 

その問題がようやく落ち着いた後、問題処理をたまたま担当した社員だけが褒められたり昇給したり特別手当を得て、最初に「トラブルの発生を予見しそれを防ごうとした社員には何の恩賞もなし・・・というパターンです。

 

将来起こりうるリスクを予見し苦言を呈する者は、組織の長にその者と同じだけの力量がないとき、嫌がられ疎まれ遠ざけられます。

 

これは非常に嘆かわしいことです。

 

逆に、普段、甘言を弄して危機の時に真っ先に逃げ出してしまうような不届き者のほうが厚遇されていたりします。

 

上の話で言えば、本当に役立つのは「たきぎを移す」ことを進言した旅人なのに、それは評価されず、評価されたのは火事の消化をたまたま手伝った人だけ・・・ということです。

 

事態の発生を予防する者を不当に評価し、その予見通りに事態が発生・悪化したときに派手に動き回った者を優遇する・・・というのはダメマネジメントです。

 

「長」の立場に就くものに長の資質がないと言わざるを得ません。

 

組織はこれではいけないですね。

 

仮に「何も起こらなかった」としても、それが適切なプロセスのうえでの結果であれば良いのですが、たまたま偶然そうなっただけ・・・ではうまくありません。

 

「何も起こらなかった」と「何も起こらないようにしておいた」の違いは大きいです。

 

未萌(みぼう)に見て、あらかじめ「たきぎを移す」ことを念頭に置けるような人こそがリーダーの職に就くべきでしょうし、そうしなければ組織の安泰には程遠いと思います。

 

※当サイトは個人ブログです。アフィリエイト、対価の伴う商品紹介等は一切行っておりません。
※当サイトのイメージ画像は https://pixabay.com/ 様に登録されているクリエイター様の制作画像を利用しております。
※当サイトのイメージ画像は、Pixabay様の定める「コンテンツライセンスの概要」を遵守し利用しております。
澤井豊、連載!
人気不動産投資サイト「楽待(不動産投資新聞)」で連載中!
今すぐこちらをクリックしてご覧ください。




あなたを「経済的自由人」に導く教科書をぜひお読みください!

電子書籍シリーズ11作品は、すべてKindle読み放題対応です!
・お金の教養シリーズ5作
・ビジネス人生論シリーズ2作
・組織マネジメントシリーズ4作

【お金の教養シリーズ】

『30代40代サラリーマンのためのセミリタイア入門』(お金の教養シリーズ5)【まずは本作から!】

『成功する人のお金の貯め方』(お金の教養シリーズ4)

『「稼げる人」になりたい人に贈る本』(お金の教養シリーズ3)

『投資して成功する人、浪費して貧乏になる人』(お金の教養シリーズ2)

『エグゼクティブ・シフト~人生を変えるお金の成功思考』(お金の教養シリーズ1)

【ビジネス人生論シリーズ】

『経済的自由を目指して自分の人生に一歩踏み出そう』(ビジネス人生論シリーズ2)

『年収1,075万円を稼げる人の条件』(ビジネス人生論シリーズ1)

【組織・マネジメントシリーズ】

『あなたが上司になったら最初に読む本』(組織・マネジメントシリーズ4)

『仕事運・金運・財運を上げる「ビジネスマン思考」24のルール』(組織・マネジメントシリーズ3)

『上場企業流!伸ばす経営術』(組織・マネジメントシリーズ2)

『真の企業リーダーとなるための教科書』(組織・マネジメントシリーズ1)

【紙書籍】

『サラリーマンが経済的自由を得るお金の方程式』

『サラリーマンのためのビジネスマン研修・ヒント100』

澤井豊の著作一覧
記事について
転載・寄稿のご依頼について

★ブログご購読はコチラから
follow us in feedly
ホームページ、SNS
http://newofficesawai.com/

Twitter

Facebookページ

関連記事

投稿カレンダー

2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目のお勧め記事!

  1. 2018-10-18

    定年退職までに準備しておくべき重要なこと

    平均的な年金を受け取っても、夫婦2人が生活をしていくには「毎月15~20万円ほど不足」・・・というの…
  2. 2019-6-5

    【重要】投資は必ず「頭金」を用意してから行なう!

    金融投資というのは、文字どおり「資金」をまずは「投じて」、後々に「投じた資金以上のお金を回収すること…
  3. 2017-4-22

    仕事を効率よく行うコツとは?

    あと1週間くらいでゴールデンウイークですね。 溜まっている仕事を片づけなければいけない・・・ゴ…
  4. 2017-11-1

    一流は「間(ま)」を縮める努力をしている

    毎日何かを連続してやっていると、次の日は「前回(前日)の終わり」からスタートできます。 ところ…
  5. 2017-6-29

    レンタルビジネスをある視点でとらえると・・・

    私は映画は映画館で観るので、DVDを借りて観るという習慣がありません。 したがってそうしたお店…
  6. 2017-4-6

    仕事の受注で他社に負けないための3つのポイント

    ビジネスでは、業務委託を受けることで売上を増やせるケースがあります。 自社が委託を受ける場合は…
  7. 2018-6-4

    わかりやすい説明・報告をするときの留意点2つ

    「人にわかりやすく説明する能力」は、上司であれ、部下であれ、すべての企業人に求められます。 ま…
  8. 2017-8-31

    【不動産】仲介業者が大事にすべき客は買い手?売り手?

    株の売買は証券会社を通さないとできませんが、証券会社からすれば株を買う人も株を売る人も手数料を支払っ…
  9. 2019-9-7

    本を買いすぎて貧乏になった人はいない!

    自己破産をしたり、貧困生活を送る羽目になってしまう主な原因は「過剰な消費活動」にあります。 も…
  10. 2021-3-14

    経営改善/家計改善のセオリー

    コロナ禍によって多くの会社や家庭が経済的に苦しくなった・・・と言われています。 …

澤井豊の著作一覧

ページ上部へ戻る