人事評価のルールや賃金体系というのはそれぞれの会社によって異なります。
そして共通しているのは「それなりに複雑でややこしい」・・・ということかもしれません。
それくらい、人事評価のルールや賃金体系は複雑曖昧で、就業規則や賃金規定などをパッと見てすぐさま理解することは難しかったりします。
そうしたことも相まって、採用された社員の多くは自分が勤務する会社の人事評価体制や賃金体系についてほとんど知らないまま日々の仕事をしている傾向が強くあります。
入社時に説明をした・・・という人事担当者もいるかもしれませんが、まだ右も左も分からないような新入社員のとき(それも入社式のころ)に一度説明を受けただけですべてを理解できるという人なんてまずいないと見るのが相応です。
ここに一種の矛盾というかジレンマが生じてきます。
一般的なサラリーマンのほとんどすべては「給料を目的」として働いており、その実は「もっと高い給料が欲しい/給料を減らさずに休みが欲しい」と願っているものです。
社員の関心は「どうすれば出世できるのか?/どうなったら自分は昇給できるのか?」といった類にあります。
→ それなのに、その評価基準やルールがいま一つ明確に説明されていない(=社員自身の腑に落ちていないから自分が何をすべきなのか理解できていない)
だからこそ、こうしたことについては入社時だけではなく、入社後も折に触れ説明を行ない、またはその理解度を確認するためにテストをするくらいでちょうど良いと思います。
上の立場に立つ者の使命として部下にそれくらいの愛情をもって接する必要があると思いますし、それが上司の優しさにつながります。
何をどう頑張ったら給料・昇給・出世というご褒美をもらえるのかがわからないまま、頑張る方向を間違えている社員がいるのはもったいないことです。
リーダーは自分がかつてそうした辛酸をなめて今の職位に上がってきたことを思い出し、自分の部下には「同じ辛い思いをさせる」ではなく「同じ辛い思いはさせない/もっと楽しい思いをさせてあげる」という労りの気持ちを持ってもらいたいと思います。