仕事で失敗をしてしまうとき、失敗する前から実はそうなることが予想されていた・・・ということがあります。
失敗した当該社員の心の中にもそういう気持ち(=もしかすると失敗するかもしれない)があったり、他の社員の目で見てそのように思えていたりすることはけっこうあるものです。
つまり、失敗する前からその失敗の原因が何かについて何らかのイメージができていたわけです。
ときには、現場の社員たちはとっくに気づいていて知らないのは社長だけ・・・という間抜けな話がおきたりもします。
本来であれば下から上へ意見を具申して失敗を回避すればよかったのですが、一部のワンマン経営会社ではそれができません。
下から上へなんてもってのほか!というヘンな風潮が蔓延(はびこ)っている会社組織です。
上意下達(じょういかたつ)しか許されない・・・なんて風潮は今どき流行りません。
でも、中小企業などのワンマン経営会社にはわりとある話だと思います。
会社経営が順調なときはそうした「失敗する原因が内在していること」に気づいていない社長でもまだ何とかなります。
でも、イザ!何か物事が暗転した時にはいっきに綻びが表面化してきます。
「失敗は成功のもと」とも言われますが、逆に「成功は失敗の始まり」でもあります。
この点は要注意です。
過去に一度成功したからと言って安心して慢心してはいけないですね。
謙虚な姿勢で成功した原因を解明し、それが再現性のあることなのかを探り、社内に成功の種を植え付けていくくらいの心の余裕が欲しいところです。
得てしてワンマン社長というのは自分の周りにイエスマンを置きたがるもので、確かにそうすれば気持ちよく仕事ができるかもしれません。
でも、そんな状態では良い経営は長続きしません。
社長はすぐに「裸の王様」になります。
優れた経営者(社長)というのは、反対意見を言えるような人材を自分の周りに置き、常に自分を第三者的視点から見ようとしています。
その姿勢が大事です。
衰退していく会社組織には、どうして今まで放置されていたのか?と首をかしげたくなるような変な事が多く見受けられたりするものです。
その多くは経営者の過去の思い入れや古参役員の自己保身によるものだったりして、今の時代にそぐわないもの・・・の可能性大です。
勇気をもってそうしたことを捨て去る気概が必要です。
外部から見るとおかしいと思えることがいまだにまかり通っているとしたら、それはやはりおかしいことです。
忖度のオンパレードでは優秀な社員は育ちません。
育つのはイエスマンばかりです。
失敗して世の中から淘汰されていく会社というのは、「やる気のある社員の気持ちを阻害する」という悪点において共通していると思われます。