
昔、こんな話を読んだことがあります。
あるとき、日々忙しく働きまわっているビジネスパーソンが数年ぶりに休暇を取り、ある国へ旅行し、ある海岸で真っ黒に日焼けしたある男と出会った。
その男はまだ若そうに見えたが、特に働くこともなく、毎日のんびりと過ごし、毎日自由に好きなことをして生きているようだった。
見かねたビジネスパーソンは言った。
「まだ若いのに、毎日、こんなところで時間をムダに過ごしてもったいないと思わないのか?もっと身を粉にして働いて、お金を稼ごうとは思わないのかい?」
男は言った。
「そうやってお金を稼いだ後はどうするんだい?」
ビジネスパーソンは言った。
「毎日、自由に、好きなことをして、好きなように暮らすのさ!」
男は笑いながら言った。
「じゃあ、正に今の自分がそうしているのと同じだな~。だったら、ボクは今のままでいいや」
→ 自分が理想とする生き方を明確にし、それを実践している人がいるのに、そのことに気づかないばかりか、その人に説教垂れるようなようなことは笑い話でしかない・・・といった訓話だったと思います。
そのとおりだと思います。
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サラリーマンは会社の仕事で業務の効率化を図ることがよくありますが、それによって浮いた時間、業務効率が良くなったおかげでできた新たな時間をキチンと「目的ある時間活用」に充てることが大事です。
間違っても、その時間を使ってさらに仕事を増やすといったナンセンス/悪循環に陥ることは避けたほうが良いと思います。
何のためにその業務を行なって時間を短縮したり、効率化を図ろうとしているのか?
業務の効率化とは少しズレますが、ここ30年間のIT関連技術の進化は目まぐるしいものがあって、かつての1980年代のバブル期を比べても隔世の感があります。
例えば、インターネットが登場・普及し、携帯電話が登場・普及しただけでもかなりの進歩でしたが、今ではスマートフォンの登場・普及によって人々の生活パターンも一変しました。
SNSの登場も若年層を中心に生活パターンを大きく変えました。
また、最近はAIが登場して思考すらも委任できるようになってきています。
このように技術は進化していますが、そこで浮いた時間をうまく活用しきれていない人も多くいそうです。
ネットやスマホやSNSを使いつつも、仕事に使う時間・場所は相変わらず従前のままであり、仕事の質もあまり変わらない・・・といった感じの人たちです。
会社を経営する人も、そこで雇われて働く人も、そのほとんどがかつての週休2日制のままで、一日当たりでも8時間以上を就労に充てていたりします。
出かける場所も、家と職場との往復が中心で、ほぼ固定されたまま・・・です。
本当は、今の時代は場所と時間を選ばずに自由に活動できるのに、そうしている人はあまりいません。
考え方・発想の転換ができず、古い考え方・発想のまま・・・です。
毎朝早くに出勤しなければいけない・・・一日8時間労働で週に5日働かなければいけない・・・長期休暇/有給休暇を取ることは悪いことだ・・・などといった過去の古い常識に縛られているのかもしれません。
組織の上位層が変わらなければ、下位に属する人たちも変われません。
リーダーたちが自分はそうあるべきと考えると、それを他人にも押し付け、部下たちの自主的な変化の妨げとなります。
せっかく技術が進化しているのに、その恩恵を活用できず、ライフスタイルを変えられない人ばかりでは他国でそれを克服している人たちとの競争に敗れることは明白です。
何とももったいないことだと思います。
このままだと、AIが優秀になってさらに仕事をする必要がなくなったとしても、きっと多くの人が一日8時間・週5日労働を続けようとするかもしれません。
その呪縛から逃れることが大事だと思います。
もっと発想を自由に持ち、生き方自体をもっと自由にするほうがベターだと思います。
自分自身の時間の使い方の常識を変え、時代に適応した生き方を心掛けることが大切だと思います。