ジャンケンをしてアイコになったときに、多くの人は「次はどの手を出そうか?」と考え、たいていは今出した手とは違う手を出そうとします。
1.グー同士でアイコになったときは次はパーかチョキを出そうと考えてどちらかを出します。
・・・ということは、相手がパーかチョキなので、こっちはチョキを出せば少なくとも負けません。
2.チョキでアイコになったときは次はグーかパーのどちらかを出します。
・・・とすればこっちは、パーを出しておけば負ける可能性は低いです。
3.パーでアイコになったときは次はグーかチョキを出そうと考えてどちらかを出します。
こっちはグーを出せばいいわけです。
多くの人はジャンケンで相手に「勝つこと」を考えていますが、大事なのは「負けないこと」です。
なぜなら、ジャンケンには「アイコ」という制度があるからです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ビジネスや仕事でも場合によってはこの「アイコ」を発想して「負けないこと」を優先して考えるほうが得策だったりします。
つまり、相手を克服して乗り越える「勝つ」という道ではなく、「少なくとも負けない/相手と同レベル」という歩留まりの水準で今は善しとする発想です。
そうすると、結果として「相手が(勝手に)負けてくれてこっちが勝つ」・・・ということが起きやすくなります。
「勝とうとするジャンケン」と「負けないようにするジャンケン」とでは、似ているようで微妙に目指す道が異なります。
「凡事徹底」という言葉がありますが、これがまさに「負けないようにする発想」です。
こっちが凡事(当たり前のこと)を徹底しているだけで特にスゴイことをしたわけではないのに、凡事すらできていない(=当たり前のことすらできていない)他社・他者が勝手に転んで市場から消えていってくれる・・・ということが起きます。
つまり、凡事という当たり前のことを徹底しているだけで→当たり前でない結果が出る・・・ということです。
ジャンケンが強い人というのは、ちょっと鍛えれば凡事を徹底できる人かもしれないですね。