
有名なイソップ寓話「金の卵を産むガチョウの話」を思い返すと、権利収入/投資の大切さに改めて気づかされると思います。
ある日、農夫は飼っているガチョウが金の卵を産んでいるのを見つけて驚きました。
それからもガチョウは毎日1個ずつ金の卵を産み続けます。
農夫は自分が何もしなくても毎日安定的に金の卵が手に入り、それを換金するだけで食べるものにも着るものにも困らなくなりました。
農夫はやがて大金持ちになりました。
しかし農夫は1日にたった1個しか卵を産まないガチョウに徐々に物足りなさを感じ始めます。
ついには農夫は「きっとガチョウの腹の中に金塊が詰まっているに違いない」と考えるようになりました。
欲に駆られた農夫はある日ガチョウの腹を切り裂きます。
ところがガチョウの腹の中に金塊などありません。
もちろん、腹を切り裂かれたガチョウはその場で死んでしまいました。
結局、それまで安定的に金の卵を手に入れてきた農夫は自分の欲に負けてその金の卵を産むガチョウを手放したわけです。
せっかくの金の卵を産むガチョウだったのに、それを失うと同時にそれ以降は何も得ることができなくなりました。
この話はイソップ寓話の一つですが、ガチョウを資産、卵を収入に置き換えて資産形成の話でよく使われます。
この話を聞いて「農夫は愚かだな」とか「欲を出さなければもっとお金持ちになれたのに」・・・と思う人もいるかもしれません。
でも、ちょっと振り返ってみてください。
もしかしたら、自分もそうした境遇にいたら農夫と同じようなことをやったかも・・・とは言えないでしょうか?
不動産投資で言えば、毎月安定的に家賃収入をもたらしてくれている不動産(アパートやマンションなど)を不動産価格が値上がりしたからといって売却してしまうようなものです。
売却によって一時的にまとまったお金が手に入りますが、それ以降はもう家賃収入が入ってくることはありません。
毎月の安定した収入源を自ら断ち切ったことになります。
サラリーマンが退職後のことを何も考えないで勢いだけで「辞表届を提出して会社を辞める」のも同じことです。
せっかくの安定収入源の「給料とボーナス」を失って終わり・・・です。
そうならないためには、「その次を確実に考え手を打ったうえで行動をとる」ということです。
前記の例で言えば、次の不動産購入物件の目途を立てておく/転職先が決まってから今の会社を退職する・・・といったことです。
これなら、安定収入源の確保の時期が少しズレるだけでたいした損失にはなりません。
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権利収入源の確保ができたなら、それを手放すのはとてももったいないことだと知るべきです。
農夫が欲を出してガチョウを失ったように、せっかくの権利収入源をむやみやたらに放棄してしまうと、その後は資産確保/形成どころか元手や将来のために貯めていた資金などいろいろなものを失う恐れが高まります。
農夫はどうすればよかったのか?
まず、焦らず欲を出さずにガチョウをじっくり育てます。
次に、卵を売らずに育てて同じような金の卵を産むガチョウの数を増やします。
ガチョウが1羽から2羽になれば金の卵も毎日2個になり、ガチョウが3羽になれば卵も3個とどんどん増えていきます。
金の卵ではなく「ガチョウを増やす」のがここで取るべき発想だと思います。
不動産投資で言えば、所有する収益不動産の数を徐々に増やしていくことです。
1戸よりは2戸、2戸よりは3戸、3戸よりは4戸・・・です。
つまり、目先の利益ではなく将来的にお金を生み出してくれる財資産を数多く作ることに注力するわけです。
財資産が増えればそこから生み出される収入の額もどんどん増えていきます。
イソップ寓話の一つから権利収入の重要性を学び、金の卵ではなく金の卵を生むガチョウを手に入れることに意識を向けて資産形成を考えると良いと思います。