私は会社員時代に、何度となく上司と衝突したことがあります。
私はイエスマンではなかったし、不条理なことや筋の通らないことが大嫌いだったので、そういうことを押し通そうとしてくる上司がいると必然的に衝突してしまったわけです。
それでも、まあ恙(つつが)なく出世して生きてこられたのは、実績をキチンと出し続けたということと、上司とぶつかる際に絶対に守るべきポイントを押さえていたからだと思います。
上司に反対するとき、絶対にやってはいけないのは「上司の人格否定」です。
たとえば「上司のことが嫌いだ!」・・・などといった意味のない意見です。
あくまでも反論すべき根拠は、上司の指示が「法律に違反している/会社の企業理念や経営理念に反している/会社にとって損害を与えることになる」といった筋の通ることでなければいけません。
「客観的に見て分はこちらにあり!」でなければ、タダの反発分子となり、即刻辞めさせるべき社員のレッテルを貼られてしまいます。
上司への個人攻撃は厳禁ですね。
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感情で上司の人格攻撃をすると、上司も結局は同じ土俵に乗ってきます。
その結果、自分の人格を傷つけられてイヤな思いをしますし、しこりが残ります。
しかも、上司・部下という力関係から言って必ず負けます。
百害あって一利なしです。
勝てる見込みのないケンカはしないほうが得策です。
そこで重要になってくるのが、先の法律や企業理念などの話になるのですが、加えて「数字」も重要な理論武装の武器になります。
ビジネスは何事も数字でとらえることが大事であり、数字は感情の対極に存在するものとも言えます。
感情ではなく、数字で議論をすると客観性が保ちやすくなります。
数字での反論に感情が差し挟まる余地はありません。
数字で議論をすると上司も納得せざるを得なく、しこりはあまり残りません。
もちろん、言い方も重要で、 最初からケンカ腰の物言いは禁物です。
柔らかく提案するような言い方がコツです。
それでも、上司がすぐに修正してくれなければとことん上記の手法で、自分のほうに「分がある」ことをわからせるしかありませんが、上司と雖(いえど)もたいしたリーダーでなければ、やはり説得するまでそれなりの労力は必要です(説得できないこともあるかも)。
だから、私はそうした余計なことはあまりしたくなかったのですが、それでも自分の信念を曲げて不当な行為をすることはしたくなかったので、結果的には上司と衝突する機会がたくさんあったわけです。
まあ、今ではただの武勇伝になりますが、自分が間違ってはいなかった・・・と今でも自信をもっていられるのは、やはりプロセスを重視して理論武装していたから・・・だと思います。