ニュージーランドには飛べない鳥「キーウイ」が生息しています。
キーウイは鳥であるにもかかわらず、翼が退化して飛ぶことができません。
それははるか7千万年以上も前の太古に、この地域が食肉性の哺乳類がいる地域と隔絶されたことに原因がある・・・と言われています。
つまり、天敵に襲われることがなくなり、逃げ回る必要がなくなり、やがて羽や尾が退化していった・・・ということです。
良く言うと羽を使わなくても済むように進化した・・・ですが、悪く言うとダラけているうちに退化してしまった・・・です。
出来事は一つでも、そのとらえ方はさまざまです。
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日本の銀行はかつて「護送船団方式」で国に守られているので潰れない・・・という神話がありました。
「護送船団方式」というのは「一番遅い船に合わせて航海する」という意味で、転じて「一番収益の悪い銀行に合わせて国が面倒をみて、それがすべての銀行の永続を保証することを意味する」・・・といったものでした。
その結果、銀行は横並び・財務省(当時は大蔵省)の言うことを聞いていれば大丈夫、という志向で、銀行は表面的には給料も高く大学生の憧れの就職先でした。
しかし、その反面、本質的には競争力が低くなり、実態は弱体化していった・・・わけです。
天敵がいなくなった(=競争経済社会という概念がなくなった)ために、キーウイと同じで退化してちょっとしたことで滅びやすくなってしまったと言えます。
そして、バブル崩壊の歴史的過程の中でその神話も崩壊して消えていきました。
銀行はバブル崩壊時に財務力を強化することを言い訳に公的資金(←要は国民の税金のこと)を資本注入してもらい、年月をかけて倒産の危機から抜け出すことができました。
その間、多くの他の民間企業は公的資金の注入などといった温かい温情がないために倒産して消えていきました(かなり不公平な措置だったと思います)。
他の民間企業だったらとっくに破産していたところを、銀行は国の恩情で税金をもらうことで助けてもらった・・・というわけです。
私が気に入らないのは、その恩義をほとんどの銀行関係者は感じていない/感謝していない/自分たちは特別だというニセのエリート意識を持ったまま偉そうに振る舞っている・・・というところです。
まあ、今それを言ってもしょうがないことですが、キーウイが保護されて絶滅の危機を脱したように銀行もまた保護されて倒産の危機を脱した歴史は忘れてはいけないと思っています。
ぬくぬくとぬるま湯に浸かったビジネス展開をしていくと、目先は良いものの体力・自助力・サバイバル力が劣っていきます。
人も同じだと思います。
自己責任の原則の意識を失うと、生き抜いていく力がどんどん弱くなっていきます。
人の場合は、生活保護という政策以外は誰も助けてくれませんから、自分で生き抜いていくだけの経済力を持つことはとても大事だと思います。
自立して生き抜く経済力を持つ・・・これは本当に大事なことだと思います。