企業の定年年齢は、私が会社で働き始めた当初は55歳でしたが、やがて60歳となり、私が退職することには65歳となって、今では「70歳定年」が囁かれ始めています。
しかも定年後の再雇用を含めれば75歳が実質的なリタイア年齢になりますし、今後はこれが80歳まで延長していく可能性も出てきています。
終身雇用ならぬ「終身就労」の時代です。
直近30年くらいの間に、サラリーマンの定年(=働き続けるべき年齢)は15歳以上も跳ね上がり、加えてさらに10年くらい長くなりそうなわけです。
70歳定年+再雇用アリの会社だと、一つの会社内には当然20代(場合によっては10代後半)~70代までの人が同じ職場で働いていることになります。
70代の社員から見れば「自分の子ども世代や自分の孫世代と一緒に働いている」という環境になります。
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年齢が50歳も離れていれば、当然価値観も異なりますし、受けてきた教育内容も異なりますし、認識している言葉の意味も違いますし、時代の変化への即応スピードにも大きな差があります。
たとえば、同じ言葉でも50代以降の人と20代前後とではこんなにも差があります。
例)
ネアカ
50代以降 → 根は明るい人のこと
20代前後 → ネットアカウントのこと
ランニング
50代以降 → 下着のシャツのこと
20代前後 → 外を走ること
卍
50代以降 → 地図でお寺の記号
20代前後 → マジで!を強調する言葉
サンドウィッチマン
50代以降 → 腹と背中に看板を担ぐ広告マン
20代前後 → お笑いコンビ名
言葉の意味・とらえ方が違うと、コミュニケーションが噛み合わないのでジェネレーションギャップは相当激しいとみて間違いないと思います。
仕事上でもさまざまな戸惑いが生じても不思議ではありません。
年少者は年長者を敬う気持ちが大切です。
年長者は自分が若かりし頃の武勇伝を説教の材料にして、ヘンな価値観を押し付けないように配慮する姿勢が必要です。
どんなに「昔はこうだった」・・・とか、「俺の若い頃は・・・」と話しても、「今の」仕事には関係ありません。
若者に疎まれて、早く退職することを願われるようになったらお終いです。
年長者が偉いわけでも若年者が偉いわけでもありません。
会社が求める需要に適切に応え、キチンと結果を出している人こそが偉いのですから、どんな人も常に謙虚に振る舞うことが大切だと思います。
まあ、それにしても若い人からすれば自分の親世代・祖父母世代と一緒に仕事をする・・・というのは、何とも不思議な感覚かもしれませんね。