ちょっと想像(イメージ)してみてください。
例1.
街中で一人が前を走り、その後ろを別の一人が追いかけているシーン
前を走る人が泥棒で、後ろを持ち主が追いかけているとイメージすると、「前を走る人=悪者、後ろを走る人=善者」と捉えられます。
ところが、後ろを走る人はストーカーで、前を走るのはその被害者だとイメージすると、善悪の捉え方が逆となり、「前を走る人=善者、後ろを走る人=悪者」となります。
例2.
背中に大きめの袋を担いだ小太りの男が夜の家の中をのそっ、のそっと歩いている姿
今の若者にはイメージしにくいかもしれませんが、昭和の人であればこれを「泥棒が盗んだものを袋に入れて背中に担いで歩いている」とイメージできると思います。
そうなると、当然この男は「悪者」になります。
一方、これが12月半ば過ぎの今の時期に考えると、「この男はサンタクロースで、背中に担いでいる袋に子どもたちへのプレゼントがたくさん入っている」・・・とイメージすることができるかもしれません。
すると、脳はこの男を「善者」と判断します。
例3.
病院でベッドに寝ている患者の姿
痛みや不安感や絶望感を抱いて寝ている・・・とイメージすると、弱者や可哀そうな人だというとらえ方(=意識)になります。
一方、もうすぐ退院になるんだろうな・・・とイメージすると、前向きな人/治療でうまく回復した人だというとらえ方(=意識)になります。
どれも、物事・出来事は一つですが、人がそのシーンを見てどうイメージするかによって、頭の中でのとらえ方(意識)が変わってきます。
意識が変わると浮かんでくる感情も変わります。
人の脳は、物事を否定的に捉えると扁桃体の一部が活動し、物事を肯定的に捉えると偏桃体の活動は低下して前頭皮質の一部が活動し始めるそうです。
出来事・物事のとらえ方次第で脳の動きが変わり、能の動きが変わると人の行動も変わります。
人の世はいろんな価値観がひしめき合って、時には衝突し、誤解を招き、無益な争い事を生み出したりもします。
「他人は自分と同じ価値観で物事を見ているとは限らない」という認識で他人と接する姿勢を持つことは大事だと思います。