老後は、多くの人の場合「お金を稼げない」のが実状です。
老後とは基本的に「働けない/働く必要がない」状態にあることを言うからです。
反対に、老後なのに「働かなければいけない」環境にあり、かつ「働けない」状態にあると悲惨です。
生活苦に陥りやすくなります。
そうしたことになるきっかけは、もしかしたら「長い」老後生活にあるのかもしれません。
長い老後生活は貧乏に陥りやすく、老後の初めのころは生活に問題はなかったのに、老後生活が長引くことでいつしか自分が予想していなかった生活状態(経済環境)に陥っていく・・・ということが起こりかねません。
そんな状態になると、通常お金があることで難なくできる(支払う)ことが、さっぱりできなく(支払えなく)なってしまいます。
たとえば、ちょっと遠い病院に行くための電車賃、ちょっとした海鮮料理などのご馳走、宿泊を伴う旅行(国内も国外も含めて)、家のトイレや風呂場のちょっとした修繕、庭の草木の手入れ、自転車や自動車などの買い替え、古くなったエアコンなど家電製品の買い替え、同じく古くなった携帯電話の買い替え・・・などをケチらなくてはならなくなります。
そんなとき、人は「まあ、今のままでも何とかなるし・・・」と自分に言い訳をします。
言い訳をして、現状維持を続けます。
現状維持は後退と同じです。
「まあ、今のままでも何とかなるし・・・」は老いの兆しかもしれない、と自戒することが大切です。
本当はこうしたいのに、何らかの事情でそれができない・・・というとき、人は自己防衛の心が働いて「まあ、今のままでも何とかなるさ」と嘯いて自分で自分をあきらめさせるわけです。
すべてがそうしたパターンではないと思いますが、60歳以上になってからの「まあ、今のままでも何とかなるさ・・・」には、気をつけたほうが良いかもしれないですね。