一昔前のサラリーマンの中には、定年後に趣味で「蕎麦打ち」を始め、やがて事業として開業する……といったパターンの人が多くいたと言われています。
最近ではあまり聞かなくなりましたが、それでも似たようなパターンの人(=何か趣味で始めたことをビジネスとして本業化する人)はそれなりにいると思います。
これまで「雇われ人」としての経験しかなく、「経営者」としての経験がまったくないにもかかわらず、そうした経営者としての立場に急に身を置くと、残念なことに失敗するリスクは非常に大きい・・・と思います。
その人が「得意だ」とか、「売りたい」とか、「こだわりを持っている」とか、「手間ヒマをかけて作っている」・・・といったことは、この時点では関係ありません。
ビジネスは売り手側の都合はどうでもよく、買い手側であるお客さまの都合=需要がモノを言います。
「売れる」・・・には、
→ 買いたいと思う人が存在している
→ その商品を欲しいと思う人がいる
→ お金を出してでも手に入れたい人がいる
ことが必要です。
また、そうした人がどこにどれだけいるのか、その人に買いたい商品がここにあることをどうやって知らせるのか!が重要です。
そうしたことをビジネスでは「マーケティング/セールス」と言いますが、それまで一介のサラリーマンで未経験のまま定年退職した人にそのスキルを求めるのは酷です。
少し視点を変えて言えば、サラリーマン時代のうちにそうした経験をして、自分の中に多くの経験値を積んでおくことが重要だと言えます。
何も定年退職する日まで待つ必要もなく、これからの時代を生き残っていくためにも、すべてのサラリーマンはそのスキルを身につけることは大切です。
むしろ、本当に真剣に考えておくほうがベターだと思います。
そういう意識をもって日々の仕事に取り組むようになると、今の会社でのビジネスモデルや仕事のやり方・見え方が大きく変化していくと思います(もちろん良い方向へ)。