昨今の漁業界の一部では、ルールは存在しているものの「自分さえ良よければそれで構わない」といった風潮がはびこっている・・・と聞きました。
一部のならず者のせいで全体が同じように思われるのは心外で失礼なことだと思いますが、世間ではそうした「一部を見て全体がそうであるかのように錯覚する」ことは良くある話です。
その「自分さえよければ・・・」という考え方は、別名「部分最適」と呼ばれる考え方であり、その結果「全体最適が蔑(ないがし)ろにされ、中長期的には全体が破滅の道を歩む」懸念が生じます。
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「まだ育っていない鮪(しび)は海に流す」・・・という言葉があります。
鮪(しび)とは、クロマグロ・キハダのことですが、まだ育っていない=幼魚の段階であればそれを獲らずに海へ戻してあげる・・・という意味です。
同じように山になる柿の実も、熟していないうちは誰も取らない・・・という暗黙の了解がかつての日本にはありました。
そのなのに、いつしか心の汚れた商人たちが「自分の利益になるなら構わない」とばかりに乱獲し、それが自然界に悪影響を及ぼしてきたのだと思います。
外国からのヘンな価値観・習慣の輸入によるものかもしれません。
魚介類・果実・・・に限った話ではなく、これを石油や森林などに置き換えても納得できそうな話が多々あると思います。
自分で自分の首を絞める・・・のは誤りの行動です。
目先の利にこだわり、「自分さえ良ければ後は知ったことか」・・・という思考回路は極力排除すべきだと思います。
これを国家レベルで行なっているとしたら、事態はかなり深刻かもしれません。
やはり、幼いころからの教育のレベルが大切だと思います。
思考回路/発想/人格は一朝一夕にすぐに変えることは難しく、時間をかけて塗り替えることが大事だと思いますが、そもそもそれを許容する意識がないとさらに塗り替えることは難しくなります。
目先の利にこだわらず「まだ育っていない鮪(しび)は海に流す」という発想を当たり前に行なえるような人格形成を躾・教育として施せる文化はとても重要だと思います。