江戸時代、仇討(あだうち)は幕府・藩などの公的権力の許可を得て行わなければならず、自分で勝手にやってはいけないというルールが存在していたようです。
テレビドラマやマンガでも、そうした仇討ちシーンはよく出てきます。
ここで大事なのは「やられたらやり返すのは公然としたルール下でなければ許されない」ということです。
現在もそうしたルールは残っています。
極端な例を挙げれば、泥棒に何かを盗まれたらそれを自分で直接盗み返してはダメで、裁判所の判断を得たうえで司法機関による強制執行を求める必要がある・・・などです。
これを、自力救済禁止の原則といいます。
被害にあったほうの立場で言えば、そんな悠長なことは言ってられない!と言いたくなると思います。
しかしながら、法治国家である以上はそれが原則であり、逆に言うと、それを認めないのは「非・法治国家」の類です。
日本は良いも悪いも法治国家が前提となっていますから、やはり原則としては自力救済は禁止で、やられたらやり返すことを安易に行なってしまうと、逆に自分が処罰を受けてしまいます。
なんともまどろっこしい面もありますが、そうした社会に生きているということを知り、順応していくことも大切だと思います。