渋沢栄一は
四十、五十は洟(はな)垂れ小僧。
六十、七十は働き盛り。
九十になって迎えが来たら百まで待てと追い返せ。
と言ったそうです。
当時だと70歳くらいまで生きられれば良い方で、まして90歳とか100歳というのは非現実的な年齢だったはずです。
でも、今はそれが当たり前の時代になりました。
サラリーマンが65歳で定年退職をしても、人生はまだまだ続きます。
場合によっては、サラリーマン人生(約40年)と同じか、あるいはそれ以上の人生が「サラリーマンを辞めた後」に待っています。
これはすごく重要なことだと思います。
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人生80年時代と人生100年時代の老後はどこが違うのか?
前者は定年(65歳くらい)まで働いたことで得られる退職金や年金や自分の預貯金などが老後生活費のベースになります。
それに対して後者は現役で稼ぎ続ける収入が老後を支えることになる(ならざるを得ない)と思われます。
大事なことなので、もう一度書きます。
人生100年時代では、現役で稼ぎ続ける収入こそが老後を支えてくれることになるであろう・・・です。
言い換えれば「現役は最高の年金になる」ということです。
日本では大学までの教育課程で終身現役を前提とした生き方を教えてくれるところはまずありません。
少し前まではそれでも良かったのですが、今はもうそんな時代ではありません。
終身現役を前提とした生き方を学んでおく必要があります。
65歳定年で働くことを辞め、その後はブラブラと100歳まで結局生きる・・・とすれば、現実的に約35年ほどの老後人生が待っていることになります。
この35年間の老後を公的年金だけに頼るのは無理だ・・・と早く悟ることが必要です。
さらに言うと、少子高齢化の現状はさらに進行します。
年金の原資を支えてくれる生産年齢人口は減るばかりです。
年金の財源は今の制度のままではいずれ限界に達するとは誰しも見越していることです。
それを防ぐには年金の支給額を減らすか、支払い開始年齢を現行の65歳から引き上げていくしかありません。
お金の面だけを考えれば、できるだけ仕事を続けて年金支給開始の時期を遅らせることが効果的というのは明らかです。
こうしたことを現役で働くサラリーマンたちは今からでもしっかり受け止めておくことが大切だと思います。
また、定年後の約35年前後を終身現役として生きるには、サラリーマン時代から終身現役の準備を重ねておくことが必要になります。
つまり組織に依存しなくても自力で生きていけるだけの力量・自助力を身につけることが求められます。
それが継続雇用なのか、転職なのか、独立・起業なのかなどは個々人の事情にもよりますが、いずれにしても決めるのは自分自身です。
定年退職後の35年間はけっこう長い/経済的な負担は思った以上にかかってくる・・・とキチンと認識し、そのうえで事前の手をしっかり打っておくことが重要だと思います。