新紙幣発行当初(7月3日)のテレビニュースでは、朝早くから金融機関に並んでいち早く新紙幣をゲットした(しようとした)人のインタビューなどを報じていました。
初物に弱い・・・のが人間の特性の一つですが、遅かれ早かれ黙っていても新紙幣は世間に流通していきます。
一週間も経った先週半ばには私の手元にも新紙幣がやってきました。
今後はむしろ、旧札のほうが手に入りにくくなることは間違いありません。
「普通にお金を使う」ためではなく、「特定の番号を求めその資産価値上昇を狙って」新紙幣を求める人もいると思います。
→ お金は旧札(旧紙幣)だろうが新札(新紙幣)だろうが、1万円札なら1万円の価値、5千円札なら5千円の価値、1千円札なら1千円の価値・・・です。
ところが、番号によっては(AA11から始まって99ZZで終わるとか、番号すべてが1とか7とか)単に額面表記の金額以上の価値を持つものがあります。
価値があるかないか?いくらの価値か?・・・といったことは所詮「人の評価」によりますが、大昔の貨幣や紙幣などの中には額面以上の金額でコレクターやマニアで売買されているものも多くあると言われます。
額面は「1円札」だけど今ではその1万倍以上の値段がついている・・・などといった感じです。
テレビ番組でもたまに「昭和〇年の△円玉がいくらになる!」といった類のことが取り上げられています。
→ こうしたことから「相続」に絡めて一つ言えるのは「価値のある貨幣・紙幣に換えて遺産用にしておく」のも一つの手だということです。
どんなに価値のある貨幣・紙幣であっても、銀行に持っていったら両替してくれるのはその額面どおり・・・です(10円は10円、千円は千円・・・ということ)。
ところが、ある希少価値のある貨幣・紙幣が手元にあり、額面は合計して百万円程度なのに、実勢価格としてはその何倍以上にもなる・・・としたら、相続税対策として有効かもしれません。
額面としては1千万円程度で相続税の対象とならない・・・といったものでも、世間評価としては数億円以上にもなる・・・としたら、合法的に相続税を免れることが可能かもしれません。
かもしれない、と書いたのはあくまでも可能性としてアリということで絶対にそうなると言い切れるわけではないからです。
まあ、そうは言ってもそうした貨幣や紙幣を手にするときに多額の出費をしてしまったならもうソンかトクかが不明になってきますからそこは要注意です。
貨幣・紙幣を絵画や骨とう品や株式などに置き換えて考えてみればすぐにわかると思います。
株式だってもともとは額面50円に過ぎなかったものが相場評価で数百円や数千円や数万円になっているわけですから・・・。
一種の「ねじれ/額面と評価価値の差」を利用した発想ですが、これは金融世界では裁定取引などに応用されています。
新紙幣発行に際してちょっとだけそうした「相続税対策」について感じるところがあったので書きましたが、何かの参考になれば幸いです。