数年前から「おくりびと」という言葉が世間で定着してきた感があります。
そのきっかけは、滝田洋二郎氏が監督を務めた映画「おくりびと(2008年)」で死者を送り届ける納棺師のことを「おくりびと」と称したものでした。
漢字表記するなら「送り人」だと思います。
やがて暗号資産の売買等で短期間に「億円を超える財を得るようになった人」をいわゆる「億り人」と呼び始め、一気に「おくりびと」という表現が広まったのだと思われます。
今では、主に資産運用で大きな財産を築いた人、とりわけ1億円以上の資産を作った人たちのことを広く「億り人」と呼ぶようになっています。
昭和時代の1億円の価値と令和時代の1億円の価値とではそれなりの差があり、昭和の頃ほどの価値はないものの、「1億円」という金額は庶民には決して簡単に手が届くものではありません。
生涯にわたって1億円を得ていくことはできますが、数年レベルの短期間で1億円を手にするのは今だってかなり至難の技です。
また、いざ実際に1億円の資産を作りたいと考えると、「どのような方法で目指せば良いのか/自分にできる方法なのか/時間と労力はどれくらい必要なのか」・・・などいろいろわからないことが出てきます。
億り人になる必要もないし、目指す必要もないと思いますが、世間にはそうした「億り人」の境地に至った人が昔よりは多くいることを知っておくことも大切です。
言い換えると、お金の価値自体が昔よりも下がってきている・・・ということであり、また、この傾向は恐らくまだまだ続くであろう・・・ということです。
そもそもお金自体に価値があるのではなく、そのお金を流通/交換することで別の何かを得られることに価値があり、そのための手段とモノサシに過ぎないということは決して忘れてはいけない概念です。
でも、そうした手段として今もお金が使われている以上、また、お金を信用している人たちが世界中のほとんどの人である以上は、自分の生活を守ったり生きやすくするために「お金を得る(稼ぐ)」ということから逃げてはいけないし、真剣に取り組むべきことの一つだと思います。