日本では、20歳になったらその月分から国民年金に強制加入となり、保険料納付義務が生じます。
これが「国民皆保険制度」です。
まあ、学生の場合は在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられていますが、あくまでも「猶予」なので、将来に満額の老齢基礎年金を受け取りたければ、向こう10年間のうちに保険料を納付(追納)することが必要です。
現在の国民年金保険料は月々16,410円です(←納める保険料)。
現在の老齢基礎年金額は年額780,100円で1ヶ月に直すと65,008円です(←もらえる年金額)。
(納める保険料と受け取る保険金はそれぞれの年数が異なるので同じテーブルで論じることは本来正しくないのですが、ここではわかりやすくするためにそうしています)
→ 月額保険料16,410円を40年間納めたらもらう段階では月額65,008円となる・・・ということであり、算数的には約3.96倍です。
つまり、約10年で元が取れる計算になります。
年金支給年齢が65歳だとすれば75歳で元がとれ、平均寿命が87歳だと仮定すればその後の12年間は丸儲け(死ぬまで丸儲け)・・・・・・ということになります。
そう考えると、国民年金保険は「損な保険」ではなく、すごく「おトクな保険」と言えそうです。
ただし、これが国民年金ではなく厚生年金になると話がややこしくなります。
なぜなら、厚生年金は人によって(給料によって)納める保険料も違えば、将来もらえる保険金額も違うからです。
つまり、国民年金のように一概に同じ計算では論じれなくなります。
老齢年金は終身支払われることが大原則であり、今のところは今後も長く守られていく建前になっています。
そう考えると、国民年金保険はお得な保険と言えるかもしれません。
民間の保険ではここまでのことはできません。
数字のマジック(錯覚)のようにも思える話ですが、とにもかくにも「国民年金への加入」が義務である以上、また日本国内に住民票を登録して住んでいる以上は、決められた保険料を支払うことは基本原則であり大事なことだと思います。