「いかだ下り」というのは、思っている以上にスピードがあって、慣れてくれば要所要所でキチンとこなしていけるのですが、最初はいろいろミスをすることが多く、時には転覆する恐れもあります。
でも、余程のことがない限り、マニュアルや指導員の指示に従ってさえいれば、命の危険まで及ぶことはないと言われています。
一方、「山登り」にはスピード感はありません。
自分の足で一歩一歩着実に目標に向かって登っていきます。
ただし、一歩間違えれば転落して命を失う危険があります。
そうならないように慎重には慎重を重ねて命綱などのリスクヘッジを用意しながら登ることが大切です。
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サラリーマンの20代・30代の時期というのは与えられた仕事に対してガムシャラにこなしていくことが大事だと思います。
激流を下る「いかだ下り」のように目の前に現れた難所に対応するのに必死ですから、自分の意思で「ちょっと待って!」とばかりに激流の途中で止まることはできません。
でも、そうした経験を積み重ねていくうちに、仕事のコツや勘所が徐々に分かってきます。
気づけば、いつの間にかスキルが身に付き、経験が積み重なって自分のキャリア形成につながっています。
そうこうしているうちに、やがて40代・50代になっていきます。
「いかだ下り」から「山登り」に移行する時期です。
山登りは、まず目標を明確にすること、目標を自分の中にキチンと落とし込むことが必要です。
そうしないと、自分がどこへ進もうとしてよいかわからなくなり、途中で遭難します。
また、目標が定まっても、どのルートで到達するのかを自分で決めることも必要です。
言ってみれば、20代の頃と違って会社組織内における自分の責任が重くなっていて、より「決断力が求められるような立場」になっているということです。
そこからは体調や天気を見ながら山を登っていくわけですが、進む速さは自分で決めることができますし、天候によってはあえて途中で休むことを選択することもできます。
言えるのは、当然に「山登り」に関する知識や能力がないと登れないし、自分一人ならまだしも仲間と一緒に登ることはできない・・・ということです。
チームで登ろうとするならリーダーシップ性も必要になります。
サラリーマンの20代・30代の仕事はまるで「いかだ下り」のように予測不能な中でさまざまな経験を通して力を身につけることが大切
→ 40代・50代にもなれば、自分の意思で「山登り」をするかのようにリーダーシップを発揮して他人を動員しながら目標達成を着実に加算していくことが大切
・・・・・・と言えます。
そんな発想で日々の仕事に取り組むと、またいつもとは違った景色が見えるようになるかもしれないですね。