借金は、ある意味では一つのインフレ対策になります。
たとえば、30年前に1万円を借りてそれがインフレ下の今の価値にしたら?・・・と考えれば分かると思います。
30年前の1万円を返済するのに必要なお金は今も1万円ですが、その1万円で買えるモノの数量は明らかに当時よりも少なくなっています。
つまり、1万円の価値は下がっているということです。
価値は下がっているけど返済は額面同額で良い、というところに「借金もインフレ対策の一つ」と呼ばれる所以があります。
仮に、今から借りる額を1万円とし、それを使って購入したモノが将来はいくらくらいの価値になっているか?
→ 正確な数字は誰にもわかりませんが、数十年後には数万円の価値に近いような気がします。
でも、その時に返済する金額はその時点での1万円で良いわけです。
だから、セオリーでは「インフレが予想されるときは現金ではなく資産を持て!たとえ借金をしてでも資産を買え!」となるわけです。
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国の借金もインフレ下ではその「借金としても価値」は下がりますから、返済する側の国にとってはありがたい話になります。
それを狙って為政者は借金をしつつインフレを誘導している・・・とも言われます。
物価を上昇させようと政府は動いている=預金の価値は年々下がる・・・ということを意味します。
物価が上昇すれば貨幣価値は下がりますし、借金も実質減額に向かうわけです。
法人で考えても、個人レベルで考えても、お金を借りられる=借金ができるというのは「経済的に(新たに)優位なスタートを切ることができる」ことを意味します。
借りられる人=信用がある人・・・です。
自分は今、金融機関からお金を借りられる人なのか?・・・借りられるとしたらいくらくらいまで借りられるのか?・・・イヤ、それとも借りられない人か?
実際にお金を借りると「現金返済」に加えて「利子の支払い」もありますし、たとえ今がインフレ下であっても将来はどうなっているかわからないので実践するには相応の責任と覚悟を負う必要があります。
でも、「今の自分の価値」を計っておくことは、それはそれで大事なことだと思います。