
クルーズ船の中にはいくつものショップが入っています。
その中の一つに「貴金属・アクセサリーショップ」のお店があります。
クルーズの序盤からいろんなセールやキャンペーンをやって乗船客の財布を緩ませようとしていますが、日程も最終日に近づくと特に大幅な割引セールを展開することもあります。
それでも、やはり、そこで売られているダイヤモンドのアクセサリー類は高額です。
なかなか庶民には手が届かない金額です。
ところが、そんなダイヤモンドの世界的相場価格はここ直近で大きく値下がりしていると聞きました。
何と!3年で50%もダウンしている・・・とか!?
「有事の金(きん)」と言われるように、一般的に「金(ゴールド)」の価格は高騰していますが、そうした中でダイヤモンドの価格は暴落しているとのことです。
ここ20年くらいのスパンで見てもほぼ最安値圏にある・・・とか。
なぜなのか?
一説には「人工ダイヤモンドの品質が上がっている」ことが大きな要因だ・・・とか。
今やダイヤモンドは人工的に作ることが可能ですが、かつてはまだ低品質だったそのそのクオリティはもはや天然より良いと言われるほどになっている・・・そうです。
そのため、このまま価格が回復する見込みもない・・・とも言われていると聞きました。
そう言えば、かつて19世紀には最高級宝石だった「真珠」も、1893年にミキモトさんが養殖に成功したことによって徐々にその価格が下がり始めた例もあります。
ダイヤモンドも、現在進行形でその現象が起きているのかもしれません。
目利きの鋭い宝石商は、今、ダイヤモンドを売り急いでいる・・・とも聞きました。
マグロ/サーモン/アワビ/フグ・・・など、養殖の成功によって庶民の手に入りやすくなったモノは多くあり、手に入れやすくなった分だけやはり価格は以前より下がっています。
ダイヤモンドも資産の保存手段としてはもう適しておらず、今後も価格の下落傾向が続くのかもしれません。
そんな目でクルーズ船のショップ内でダイヤモンドのアクセサリーを眺めていました。
ダイヤモンドを自分の装飾品として活用する分には自分の好きな値段で買って好きなように使えば良いのですが、もし、「将来の資産価値向上を狙って」購入するのなら、ちょっと考え直したほうが良いかもしれません。
派生利益を生まないモノへの投資は結局「投機」に過ぎません。
投機は購入と売却のタイミング(=機)が重要です。
いずれにしても、実用を意図しないお金の投じ方としては、派生利益を生まない「投機」ではなく、派生利益を生む「本当の投資」に目を向けるほうがベターだと思います。