
昨年12月に2つの「引き上げ」が発表されました。
「年収の壁」と「政策金利」です。
1.年収の壁の引き上げ(12月18日発表)
→ 所得税がかかる最低ラインである「年収103万円の壁」を「年収178万円まで引き上げる」ことに決定。
(年収200万円以下層は160万円の壁だったが、今回の決定で年収665万円以下の層が対象になった)。
2.政策金利の引き上げ(12月19日発表)
→ 0.5%だった政策金利を0.75%に引上げすることに決定。
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所得税納付の最低基準を引き上げることは対象者にとっては「手取り金額の増加」に直結するのでありがたいことだと思います。
間接的には景気押上げの効果が期待されます。
一方、金利引き上げは多くの事業者・経営者にとってマイナス効果となります。
なぜなら、借金の合計返済金額が上がるからです。
一般庶民にとっても、住宅ローンを組んで自宅を購入しようと考えている人にとってはマイナス効果となります。
ここでイヤなのは、「これから借金する人や企業だけ」に限らず、多くの場合は契約によって「これまで借金した人・企業にとっても」金利が上げられ、今後の返済金額が増えてしまう・・・ということです。
刑法などでは、新法が定められたとき、「これまで」のことは除外して「今後の事案だけ」に適用される(=遡及されない)のが一般的ですが、「日銀の金利政策」では「これまでの事案にも適用」されるというヘンなことが起きます。
正確にはちょっとしたズレがあるのですが、大枠では上記のとおりとなり、しかも多くの場合は「金利が下がってもほとんど遡及されない」のに、「金利が上がるとすぐに遡及して適用される・・・」という何ともおかしなことがまかり通っています。
そもそも日銀の金利引上げの大義名分は「インフレ対策」とされますが、これはインフレで物価が上がり市場にはお金が溢れている → 金利引上げによってお金が銀行預金が増えて市場に出回るお金が減る → 物価が上がりにくくなる→ インフレが抑制される・・・というものです。
過度な円安で輸入品が高くなってインフレを引き起こしているので → 利上げによって円安が是正されれば輸入品の値段が下がり → インフレが抑制される・・・といった狙いもあるのでしょうが、所詮は学者の身勝手な机上の空論的な発想だと思います。
金利が上がると個人や企業が銀行からお金を借りにくくなり、経済活動を停滞させる要因となり得ます。
昨年12月18日に「景気押上げ効果のある年収の壁の引き上げ」が発表されてすぐの翌日12月19日に「景気押し下げ効果のある金利の引き上げ」が発表されたのは実に残念な流れです。
車で言えば、アクセルを踏みつつ同時にブレーキを踏む・・・といった感じです。
かつてバブル崩壊を招いた日銀!
当時は「総量規制」という名のブレーキを踏んだことでバブルが一気に弾けてしまいました。
アベノミクス初年度の2013年に日本はようやく暗黒時代から抜け出せそうだ・・・という期待感が満ちていました。
ところが、それを打ち消すブレーキ=「消費税の5%から8%への引き上げ」が行なわれ、景気は一気に冷え込みました。
結果、アベノミクスは失敗し、暗黒時代は続きました。
今回、政府は(高市首相は)、「ガソリン暫定税率廃止」「年収の壁178万円に引き上げ」「高校無償化」「給食無償化」など、「手取りを増やす」政策を次々と打ち出しています。
こうした景気押上げ効果のあるアクセルを踏もうとしているところに、日銀は利上げを決めてブレーキを踏もうとしています。
広い意味で「歴史は繰り返される・・・」です。
2026年は始まったばかりですが、言えるのは「実務に精通している人」と「机上の空論で自己満足に浸る学者レベルの人」とでは、やはり見ている世界が異なる・・・ということです。
私は実務の世界(ビジネスの世界)で活躍していたので、こうした学者目線で経済活動の邪魔をされることは好きではありません。
大局を視て小局を為す・・・という視線が大切です。
こうしたことを踏まえて今年一年をどう生きていくか・・・などをしばらくは状況を見ながら判断していくと良いと思います。
























