かつてNTT株、今後のゆうちょ株?
- 2015/7/23
- マネー・投資
- 投資・投機で失敗しないコツ, 株式投資
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かつてNTTが株式を上場したとき、多くの株取引未経験者が新たに株式市場へ参入してきました。
参入したというよりも、自動的に(半強制的に)参入させられた・・・といった感じです。
それまで、株にまったく興味のなかった人も試しに「NTT株」でも買ってみようかな?という気持ちになり、国全体でそのように煽る風潮があったので、多くの人が株式公開前に1株購入・・・という選択をしたわけです。
思えば、NTTという会社は国民にとって普段の生活に密着しているので、何をしている会社で、どんな社会的意義があるのかを肌で感じ取る土俵があった・・・と言えます。
そのために親近感・安心感を持ちやすかったことが購入を後押しした要因だったと思います。
そしてその結果、株式公開後のNTT株はどんどん値上がりしていき、理論的には全員が儲かりました(上場後速やかに売却していたら・・・ですが)。
味をしめた多くの人は次第に「株取引」にのめり込むようになり、証券会社もビジネスチャンスとばかりに攻勢をかけ、株ブームの到来に世の中が沸いたわけです。
やがて数年後、以前の未経験者たちは今まで聞いたことも見たこともない会社の株式を証券マンの勧めるままに購入して、いろんな会社の株主になっていました。
NTT株で大金を稼いだことに加えて、それまで銀行に預けていたお金を新規投入して証券マンに言われるがままに知らない会社の株を買い漁っていったからです。
そして、何度も売り買いを繰り返す過程で儲かることもあれば損をするときもあったりして、やがて儲かった株は売って他の株に乗り換えますが、損をしてまで売ることはしないので結局「塩漬け株」(=売りたくても損をするので売れない株)を大量に保有したまま、ついに悪魔の日を迎えます。
それがバブル崩壊の始まりだった1990年1月4日の大発会です。
そこからあれよあれよ・・・と株価は下がり続け、ますます塩漬け株は売れないまま放置されていきました。
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投資も投機も自己責任が大原則であり、リターンの背景にはリスクがつきものです。
投資・投機で失敗しないコツの一つは「自分がよくわからないものに手を出さない」ということです。
NTTは知っていて儲かった・・・からと言って、それ以外の知らない会社の株を買うと、値下がりしたときのショックは大きいです。
他人の言うがままにお金を投じていたら、結局は損をしたときに責任の所在があいまいになって感情的に落ち込みます。
自分が何をしようとしているのか理解したうえでお金を投じる姿勢が重要ですね。
この原則を守れない人は投資・投機をすべきではない、と思います。
今後、ゆうちょ株が正式に売り出され、これによってまた新たな株取引者が参入してくると予想できます。
また、すでに株を持っている人の中には自分の資金を移動して新たなお金を株式市場に投入する人もいると思います。
それはそれで結構なことなのですが、あくまでも株式投機は「投機」であり、自己責任の原則を貫くことが重要ですね。
いつか来た道・・・歴史を繰り返すことをしないように、投資・投機には常に慎重さと大胆さをもって臨むことが大事だと思います。