かつて、日本で「税金」として扱われたのは、金銭ではなくて「米」でした。
領主の取り分が40%で、農民に60%が残される場合を四公六民と呼びますが、これを豊臣秀吉は二公一民にしたとも言われています。
つまり、耕し農作した本人の取り分は全体の約33%ということになり、残りの67%が税金で納めなければいけなかった・・・ことになります。
江戸時代の享保以降は五公五民/5公5民になったともされています。
簡単に言うと、取れたお米のうち半分は租税として納め、残り半分が収穫者の手元に残る・・・ということです。
現代に置き換えて言うと、月給の半分が税金として取られてしまう、ということです。
ただし、当時にこれらの基準は全国で統一されていたかどうかは不明で、藩によってかなりの徴収差があったとも言われています。
幸い、現代社会ではそうした局所的な地域差による税金の徴収はない時代で、もし本当に「5公5民」のように収入の半分が税金として徴収されるなら、それは全国規模・日本全体になります。
日本全体が5公5民になるのもイヤですし、地域差を生じさせることが認められて自分の住む地域がやたらに高祖課税されるのもイヤです。
そんな時代にならないことを願うばかりです。
でも、考えてみればそんなに高い所得税になるとは信じられなくても、所得税以外の徴収されるもの・・・たとえば住民税/厚生年金保険料/健康保険料/雇用保険料などをすべて合わせればその額が「給料の半分=5公」となる・・・ことは想定できそう・・・です。
高齢化と少子化に伴う生産人口の減少がその主な原因です。
今のまま高齢者が増加すると、2030年代には3人に1人が高齢者となり、医療費や社会保障費がその分増える(膨張する)ことを見越すと、2040年にはサラリーマンの所得(←収入ではなく所得)の半分が源泉徴収されていることになる・・・とも聞きました。怖いですね。
そんな時代に急激に変化すると、人々は戸惑い、暴動も起きかねませんが、徐々に…徐々に・・・変化していくと、「ゆでガエル状態」になって受け入れられやすくなります。
どんな時代になっても、自分の生活は自分で守り、生活の安定を自らの手で構築していくことが大切です。
5公5民になっても、生活基盤が揺るがないように、今から少しずつでも準備をしておくことはそれなりに大事なことだと思います。