「お金(通貨)」というのは、所詮限られた人たち同士で認め合う「流通するモノ」であり、自分以外の誰もその価値を認めようとしなければ、何の価値も持たなくなります。
「円」が日本で流通しているのは、日本国民が共通して券面に記載されている「額」の価値を認めているからであり、円を国外に持って行っても何も価値はありません。なぜなら、両替等を除き、多くの国で「円」は流通しないタダの紙切れ・硬貨だからです。
反対に、ヨーロッパでは共通認識されて流通している「ユーロ」が日本国内では価値のないモノになるのも同じ理屈です。
その点、金(ゴールド)は比較的どの国に行っても似たような価値を満たすことができます。そうした意味では「金(ゴールド)」を保有しておくことは一つのリスクヘッジになります。
でも、残念なことに金(ゴールド)だけを持つことは必ずしも得策とは言えません。金(ゴールド)は、持っているだけでは何も新たな価値を生み出さないからです。
配当や利息といった「派生利益」の概念がないからです。長く所有していても、金(ゴールド)自体の数量が自然現象で増えることはない、ということです。数も増えなければ重量も重くなることはありません。
インフレヘッジや宝飾品にはなるので、紙幣や小銭をタンス預金するより若干マシかもしれませんが、でも、インフレヘッジ以上の存在になることは難しいと思います。
そのため、金(ゴールド)の良さを認めつつもその足りないところを補うために「株式」や「不動産」を持つことは有効だと思います。
最近では、「仮想通貨」 という手段もあります。
原点に返って言えば、とにかく「みんなが共通して価値を認めなければ意味がない」ということと、一つの資産にこだわらずに多くの種類の資産を持つことが大事・・・ということが言えると思います。