大学生が卒業して社会人として働きに出るのがだいたい22歳~23歳です。
そこから定年退職を迎える65歳まで約43年間ありますし、昨今言われているように70歳が定年年齢となれば47年~48年ほどあることになります。
22歳から70歳まで、毎月毎月欠かさずに定額の貯金をし続ける人はごくごく稀だと思いますが、仮にそんな人がいたとします。
毎月、給料を切り詰めて、まさに血のにじむような思いをして「47年間月額3万円」を貯金し続けた・・・と仮定します。
現在のような低金利時代では、いくら47年と雖(いえど)も利息なんて高が知れているので、ここでは利息ナシと仮定します。
果たして47年後、晴れて定年退職の日を迎えて、今後はこれまで貯めたお金で悠々自適な生活をしよう!・・・と預金通帳を開いて残高を確認してみると・・・・・・。
3万円×12ヶ月×47年=1,692万円です。
涙ぐましい努力でコツコツと貯めてきた47年間の集大成が「1692万円」です(←毎月の貯金額がもっと多ければ当然預金総額も増えますが・・・)。
1692万円を「1692万円も」と見るか、「1692万円しか」と見るか?
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老後の定期収入が公的年金だけの人は生活資金が「毎月20万円不足する」と言われています。
1,692万円÷20万円=84.6ヶ月分です。
つまり7年分です。
77歳を過ぎるころには消えてなくなっています。
これで老後の安心は得られるか?・・・と言えば、やはり「ノー」だと言わざるを得ません。
22歳~23歳からコツコツ貯金をしてきたとしても(←そんな人はまずいませんが)、それだけで老後の生活を安心することはできないし、インフレにも対抗できません(もちろん、貯金の金額にもよりますが・・・)。
「貯める」ことも大事ですが、その次に「増やす」ということに意識を向けることがやはり大事です。
貯金をするだけではお金は増えませんから、意図して「増やす」ことに頭を切り替えることはとても重要だと思います。