バブルがはじける前の1989年の日本人の個人金融資産は約1000兆円だったそうです。
その後「失われた25年」と称される長期停滞期に日本経済は入りましたが、2014年の個人金融資産残高は何と!約1700兆円と25年間で700兆円も膨らんでいたそうです。
いったいどこが「失われた25年・・・」だったのか?!
そして、その1700兆円の大半を持っているのが実は65歳以上の高齢者(今の年齢で70歳以上)という分析結果があるそうです。
一部では老後破産とか下流老人といった言い方もされている層ですが、やはり巷間言われているように「二極化」が起きているのだと思います。
つまり、持っている人はしこたま持っているし、持っていない人はほとんど持っていない・・・というわけです。
その年齢になると、昔ほどの消費活動はなくなり、既に欲しいものは何でも持っていますし、どこかへ行くにしてもあまり遠出や長期間の外出はしたがらないものです。
したがって、それらのお金はほとんど世の中に出回ることなく、静かにお墓に持っていく・・・相続財産として次世代に引き継がれる(相続税として若干は没収される)・・・という読みが成り立ちます。
政府がさまざまな経済政策を打っても、それらが高齢者に響くことは少なく、多くのお金・資産を持っている高齢者たちはただ単に持っているだけで消費せずに過ごす・・・という構図がここ数十年の流れなのかもしれません。
一説には高齢者の死亡時の一人平均貯蓄残高は3500万円近いそうです。
ヘンな話、死ぬ時が一番お金持ち・・・ということもあり得るかもしれません。
若年層の賃上げや働き方改革をしても、高齢者にはなんのその・・・で、一向に関係のないことに映っているかもしれません。
そういう意味で大事なのは、「高齢者たちにもっとお金を使わせる政策・教育」とも言えます。
まあ、一番手っ取り早いのは「寄付」ですがなかなかそうもいきません。
日本人は寄付をするという習慣があまり身に付いていないし、お金が無くなる不安のほうが寄付をする気持ちよりも勝ってしまうからです。
でも、もし寄付をしてくれたらその「見返りを適切に与えること」ができれば、人の意識も変わるかもしれません。
たとえば、終身の生活保障、無税、家族も向こう○十年にわたって無税、一定の生活保障、医療費無料、教育費無料・・・などです。
「程度」の問題もあって、もちろん反対意見もあると思いますが、それくらい思い切った「高齢者の持ち金吐き出し作戦」を決行することができれば、日本の財政状態を好転させる一助になるような気がします。
ちょっと過激で乱暴な考え方かもしれませんし、そうすることで「階層化/格差拡大」につながる恐れもありますが、一考の余地はあると思います。