サラリーマンが定年退職をして完全リタイアの状態になると、その後の人生で自分が使えるお金というのは、基本的には「退職金+貯蓄+ 年金」です。
65歳から85歳まで20年生きると仮定したら、退職金と貯金で1億円あれば1億円÷20年=年500万円あるので、年金を使わなくてもその20年間は普通に(贅沢をしなければ)生きていくことができそうです。
ただし、ここで要注意なのはこうした計算は「心身の健康が良好であること」が大前提の話・・・ということです。
老後に気をつけなければいけないのは「先進医療が必要な身体にならないこと」であり、すなわち「健康状態が良好であり続けること」です。
健康を失ったら目論見が崩れます。
通常の医療でしたら高額医療費制度があるので毎月々の医療費の支出額はある程度まで抑えることができますが、それでも月に数万円かかることは覚悟です。
しかも、高額医療費制度の適用を受けられないような医療費が必要になれば、それこそ医療費は青天井となり、月に数百万円!ということもあり得ます(あくまでも可能性の範囲ですが)。
まあ、可能性を追求したらキリがありませんが、人は誰でも老後に健康を害し、病院のお世話になる可能性が高いものです。
そのため、現役時代のまったく病院とは無縁だったときと同じ感覚で老後の人生を仮定、シミュレーションするのはちょっと安易な発想過ぎる・・・と思います。
老後に使えるお金は人によってもちろん異なりますが、予め「医療費」に関しても必要になることを多少は汲んで計算をしてみることが、リスク回避につながると思います。
また、それによって蓄えるべきお金/稼ぐべきお金もより精度の高い金額を算出できると思います。