財産形成のために家を買おう!・・・という宣伝文句に惹かれて家を購入する人はいない・・・と思いますが、でも、心のどこかで「家を買えば将来の財産につながる」という想いは誰でも持つと思います。
確かに「家=住宅」というのは最低でも数千万円以上するものですから、財産と言えば財産です。
ただし、正確には住宅ローンの支払いが終わってから・・・です。
住宅ローンの支払いが完済すれば、万が一のときに家を売れば数千万円のお金に換えられますが、ローンの返済が終わっていなければ家を売っても借金が残ることもあります。
ローンの返済が終わるまでは、売却してもローンの残債のほうが多かったなら、何の財産にもなりません(ただの負債です)。
ところが、往々にして「住宅ローンの支払いが済む」という時期は相当先の話になります。
30年~35年ローンが一般的だからです。
一般的には、30代~40代で住宅ローンを組む人が多く、そのため返済が終了するのは60代~70代となります。
その年齢だと既に現役をリタイアせざるを得ない年齢です。
・・・ということはもはや労働市場からの収入は望めない時期でもあります。
冷静に考えればすぐにわかることですが、財産形成というためには、最低でも家を2軒は購入しないといけない・・・という見方ができます。
なぜなら、自分が住む家として1軒は絶対に必要だからで、住んでいる家を売るわけにはいかないからです。
しかも、自分の所有するその家の不動産価格が値上がりしていないと意味がありません。
自分が購入した時よりも高い価格になっていて、かつ、売ろうと思えばいつでも購入価格よりも高く売れる・・・という状態でないと、財産形成にはつながりません。
そう考えると、家を買って財産形成をする・・・というのは、かなりハードルの高い手法です。
しかも、住宅ローンを組めるのはたいていの場合は家一軒分だけ(自分が住むところだけ)です。
2軒買って、2軒とも住宅ローンで・・・というわけにはいきません(片方の返済が終われば可能ですが・・・)。
家を買って財産形成に役立てようと思えば、その買った家を賃貸にまわして、借主を見つけ、家賃収入を得ることが必要です。
長年にわたって家賃収入を得ていけば、自ずとそこでお金が貯まっていきますし、そのお金でローンの返済ができます。
その分を購入価格から差し引けば、実質的な購入価格はどんどん低くなっていき、将来的には良い財産として手元に家が残ることになります。
それを一つだけではなく2つ・・・3つ・・・4つ・・・と数を増やしていけば、さらに早く財産形成ができることになりますから、そういう意味ではこの手を用いるのは有効なやり方だと思います。