経済の中では、ちょくちょく「金余り」という表現がされます。
金融機関や機関投資家と呼ばれる「お金の運用のプロ」たちが抱えているお金がだぶついているような状況を指します。
そうした人たちは、「預かっているお金を運用して増やす」ことが仕事となります。
運用先として真っ先に上がるのが国債を始めとした債券市場であり、次に株式市場や為替市場や先物市場などが挙げられます。
そうした運用先の一つが「不動産市場」です。
不動産市場・・・と言っても、実は他のものと違って「正式な市場(マーケット/取引所)」があるわけではありません。
不動産の売買は「相対」取引であり、それぞれ個別に行なわれる点が他の商品とは大きく異なります。
そのためなのか、不動産市場へお金が流れ始めるのは、他のものと比べると遅い傾向があり、極論を言えば、債券や株式や為替などにお金が流入した後にようやく不動産市場にお金が流れる・・・とも言われています。
不動産にはやや遅れてお金が流れる、ということです。
運用すべきお金はあるのに、運用先が不安定でリスクが大きい・・・運用先に資金を吸収できるだけの需要がない・・・という状況になると、最終的にお金は不動産へ落ち着くというわけです。
一理あるものの、真偽のほどはよくわかりませんが、実際、不動産価格というのは株式に比べるとはるかにゆっくりとした値動きになり、世間の景気とはそれほど連動していないような気もします。
やはり、遅れてお金が流入してくるからなのかもしれません。
不動産はやや遅れたタイミングになるので、不動産価格が下がるときは、すでに株式や債券は落ち込んでいるときかもしれません。
「投機」中心に行なっている人は、こうした特徴を知っておくと良いと思います。