「お金を貯めておくだけ」で満足している人は世の中にはけっこうたくさんいると思います。
「将来の備えだ/もしものときのために蓄えている」と自分で自分に言い聞かせて、一種の自己満足状態に陥っているのかもしれません。
まあ、その人のお金ですからその人がどのように扱おうが他人がとやかく言う義理はありませんが、あえて言うならちょっともったいないと思います。
お金は使うためにある・・・のが基本であり、使わなければ道端に転がっているそこらの石と同じ・・・だからです。
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こんなたとえ話があります。
昔、あるところに、お金を貯めることに喜びを覚える村人がいました。
その村人はお金が盗まれること/なくなることを極端に恐れ、そうならないようにお金を裏山の木の下に埋め、週に一度土を掘り起こして中を確認していました。
そうやってお金が盗まれていないことがわかると安心していたわけです。
埋めるお金を少しずつ足していくのでお金は徐々に増えていきますが、村人は一向に使うことをしないので、お金はやがて腐食していきました。
あるとき、埋めてあるお金が腐食してボロボロになったことに気づいた村人は大いに嘆き悲しみます。
その様子を見かねた神様がある晩、夢の中に出てきてこう諭されます。
「何をそんなに嘆いておるのじゃ?嘆く必要はあるまい。おまえはお金を貯めても、決して使おうとはしなかった。
どうせ使わないお金なのだから姿かたちが変化したとしても気にする必要はあるまい。
そこに埋めてあることのほうがお前には大事なことじゃろう。
今までどおり週に一度そこに埋まっていることを確認して安心すれば良いだけのことじゃ。
でも、もし、今後はお金を貯めるだけではなく『使う』ことを約束するなら、ワシが今までのお金を元に戻してやろうではないか・・・」
朝、目が覚めた村人は神様のお告げを思い出し、お金を貯め込んで満足し安心していたことを止めて今後は貯めたお金を使うことを決意します。
心の中で神様にそう約束し、裏山へ行って土を掘り起こしてみると、そこには何と今まで自分が貯め込んでいたお金がすべて元通りになって埋まっていました!
村人は心の中で神様に感謝し、さっそくそのお金を取り出して家に持ち帰り、それからは「貯める」だけではなく「使う」ようにしたとか・・・。
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全財産を失うことは自分のすべてが否定されたような気がして、自信喪失をしてしまいがちです。
でも、よくよく考えてみれば、「財産を持っていた自分」が「財産を持っていない自分」に変わっただけで、自分自身の本質は何も変わっていないハズです。
財産を失った・・・という過去の過ちを憂えても、それは時間とエネルギーの無駄です。
過去は忘れよ・・・です。
過去を忘れて未来に集中することが大切で、大事なことは「同じ過ちを二度繰り返さない」ということです。
この発想はとても大事だと思います。
過去は戻ってきません。
過去をどんなに憂えても何も変わりません。
何かが変わるのは、今、これから次第であり、それには「行動あるのみ!」です。
単純なことですが、心のスイッチの切り替えをするのはそれなりに訓練が必要かもしれません。
だから、早い段階でそうした訓練を行なうことが大切です。
「お金を貯めるだけ」で満足せず、たとえお金を一時的に失ったとしてもそれに執着し過ぎず、目を未来を見ながら「お金を貯めて、増やして、使う」という発想を持つと良いと思います。
未来に向かって行動を始めた人ほど、早い段階で明るい未来をつかめると思います。