不動産には「一物五価」と呼ばれるようにいくつもの価格が設定されています。
つまり、物事は一つ(=該当不動産は一つ)でも、そのとらえ方はさまざま(=評価は少なくとも5つ以上ある)・・・ということです。
不動産の「価値」は、実際にそれを売却して換金したときにはじめてその時点での本当の価値が表れてくると言えます。
売却希望者にとっては、いったいいくらで売れるか(買ってくれる人がいるか)?・・・が大事で、その他の評価は所詮は「画に描いた餅」でどうでも良いことです。
自分で住む(使う)不動産の場合は、その価値がいくらであれ目先的にはあまり関係のないことですが、投機を目的とする人の場合であればその物件価格がいくらになりそうか?を探ることは死活問題となります。
次に買う人にとって魅力的な物件なのか?需要はあるのか?自分が購入したよりも高く売れるのか?ということがとても大事だからです。
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投資であっても、物件を少しでも安く買いたいと思うのは人の常です。
だから、機知のある人は売りに出ている価格に「指値」をして、少しでも安く買おうと試みます。
そのとき、果たしてどんな物件であれば指値をしやすいのか?・・・と言うと、それは売主から「高値で売る意志があまり感じられない物件」です。
たとえば、ちょっとビジネス・経営を経験したことがある人なら、自分が売りたい物件をなるべく高く売ろうと思って少しでも見栄えを良くしたりするものですが、「高値で売る意志があまり感じられない」人の場合はそんなことに手を伸ばしません。
物件内にある残置物を片付け、室内の掃除をしたり、壁紙の張替や外壁塗装などのリフォームをする売主は少しでも高く売りたい売主です。
そうやってピカピカに仕上がった物件は、指値を受け付けないぞ!・・・という不思議なオーラを醸し出します(逆に言うと割高な物件だったりするので要注意かも)。
それに対して、屋内には残置物があり、壁紙は汚れたままで、庭の草はボーボー・・・といった物件は売主の「高く売ろう」という気持ちがほとんど感じられません。
売主が物件に関心を失っている証拠です。
こんな物件こそ一つのチャンスが潜んでいます。
売主の中には「いくらでも良いから売りたい」という人がいらっしゃいます。
そんな売主さんに出会うと、ビックリするような指値がふと通ってしまったりすることがありますから、そんな時は心の中で小さなガッツポーズ!です。
室内が荒れていて写真が撮れない・・・なんていう物件も、売主さんの関心度合いが低い一つの証拠かもしれません。
まとめると、空き家で残置物はそのまま、ポータルサイトに載せる室内写真もない・・・という物件は比較的指値が通りやすいと言えそうです。
ネット上に掲載されている売出価格だけを見て「この金額だと高いから買わない」というのは、みすみすチャンスを逃すことにもなりかねませんから、そうした物件もこまめにチェックするすると良いと思います。
そこで行動を起こす人こそが、物件を安く購入できる人なのかもしれません。
まあ、ヘタにヘンな物件を買っても「投資妙味」がなければ意味がないので、そこの兼ね合いを自分の中でうまく線引きすることは大切ですが・・・。
不動産投資では、まず「不動産を持つ」ことが必要となりますから、その初期費用をできるだけ抑えることを考えるのは経営者として必要です。
やり方は一つだけではないので、自分なりにいろいろ工夫・努力をしてみると良いと思いますが、あくまでも「購入後の先」が見えるような物件を見定めて交渉することが重要だと思います。