65歳から90歳までは25年あります。
65歳から年金を受けとることができますが、サラリーマンで独身の人であればまあだいたい10~18万円くらいの額だと思います。
案外と少ない金額です。
仮に90歳まで生きると仮定して、また65歳以降に毎月必要な金額を35万円、もらえる年金の額を15万円だと仮定すると、毎月20万円不足しますから、90歳までに不足する合計金額はこうなります。
20万円×25年×12か月=6,000万円。
65歳時点で6,000万円が手元にあってその後インフレがない(=物価上昇がない)という前提条件ではじめて、90歳まで何とかギリギリ生活できるということです。
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6,000万円の現金を65歳までに給与収入で貯めるとしたら、その間の所得税分を約33%として計算すると、実際にはこれだけ給料を得ることが必要です。
6000×1.33 = 7,980万円。
これはあくまでも「貯金分」だけですから、これ以外に通常の生活費分の給料を稼ぐことも当然必要です。
仮に今40歳の人が65歳までの25年間で、通常の年間生活費が600万円だとすれば
600万円×25年×1.33=1億9,950万円
となります(給料が必要です)。
合わせると、7980万円+1億9950万円 = 2億7,930万円
今40歳の人が65歳までに会社から稼がな(頂かな)ければいけない給与額は、なんと約2億8千万円にもなる!ということです。
退職金を2000万円と仮定しても、結局25年間で2.6億円の給料をもらうことになります。
2.6億円÷25年=年収1,040万円です。
今が仮に年収1040万円だとしても、今後25年間ずっとそれを維持していくことが求められます。
今の年収が1040万円未満であれば、何か別の対策を考えなければいけなくなります。
90歳まで生きる前提を短くするか?
独り身でないようにするか?
65歳以降に必要な毎月のお金を減らすか?
退職金を増やすか?
もらえる年金額を増やすか?
貯金の取り崩しで生活するパターンを止めるか?
もちろん、上記のこと以外にも健康状態の側面から考察することも大切ですし、単純に計算できるものではないと思いますが、あらかじめ自分なりにいろいろシュミレーションしてみることは大切です。
いわゆる 「仮説」と呼ばれることです。
「シナリオ」とも言えます。
少し厳しめ(=悲観的)に考えて、対策を練り、実行段階では楽観的に行動する気持ちが大切だと思います。