総務省発表の「家計調査報告(2020年)」によると、60代以降の独身者は毎月約13.3万円(年間約160万円)の支出があり、既婚者の場合は毎月約22.4万円(年間約270万)円の支出があるそうです。
実際はもっと多額の支出があるように思えますが、一応参考数字としてとらえておいて、まあ、月額にして15万円~25万円の支出額は必要になると思っておくと良さそうです。
平均寿命からトータルの金額を計算すると、男性(平均寿命82歳)で仮に90歳まで生きるなら60歳からは30年間なので
→ 独身者/(年間160万円×30年≒4,800万円)
→ 夫婦二人(年間270万円×30年≒8,100万円)
という計算になります。
これは最低限の支出額と捉えておくべきであり、これだけだと旅行費や医療費などの突発的な支出をカバーできる余裕はないと言えます。
そうした突発的・偶発的支出を加味するなら、この2倍以上は想定しておく必要があるかもしれません。
公的年金がもらえることによって、必ずしも上記の金額すべてを自己でまかなう必要はありませんが、でも、公的年金はもらえたらラッキー!くらいの予備費としてとらえておくほうが経済的策定には安心です。
そうしたことを踏まえて考えるなら、経済的に安心して歳をとるには「独身者なら4,800万円/既婚者なら8,100万円」の預貯金額もしくは将来的収入額が求められる・・・と言えそうです。
60歳以降も継続して仕事をすれば定期的にお金が入ってきますが、でも、せいぜい75歳程度までだと腹を括っておいたほうが無難です。
80歳を超えて60歳以前と同様の働き方/お金の稼ぎ方ができる人は少数です。
20代のころはそんな60歳以降のことなんて考えてもいないし、30代~40代のころは60歳を過ぎても今と同じように働いてお金を稼いでいると錯覚をする人が多いと思います。
50代になっても60代になってもバリバリと仕事ができるだろう・・・と40代以下の人は信じこんでいますが、結構は確率でその考えは幻想に過ぎません。
身体的な不具合が生じます。
能力的な不具合も生じます。
記憶力も語彙力も発想力も落ちていきます。
いろんな観点から考えても、やはり60代以降の経済的安心感を得るには、予め準備しておく必要があると思います。
就労しなくても最低でも毎月25万円程度の収入(もしくは預貯金の取り崩し)があるように、自分の家計を構築して置くことがその安心感につながります。
それが構築できなければ60歳を過ぎて(あるいは65歳の定年退職後に)自分がまともに仕事ができなくなったときに経済的に詰んでしまうことになりかねません。
60代になってもバリバリ仕事ができるというのは一部の優れた人たちだけであって、自分がその仲間入りができるかどうかはわからないけどできないと思って準備をしておこう!・・・と慎重に構えておくほうがベターです。
インフレになると必要な金額はさらに増えます。
今自分が何歳であっても、将来に備えた行動を起こし、自分の未来像が悲惨なことにならないように手を打つことを意識することは大切だと思います。