サラリーマンとして定年まで働き、その後は退職金をもらってローンを完済して、年金で悠々自適な暮らしをしよう・・・と思っていたら、実はとんでもない間違いだった!と気づく人が今増えていると思われます。
大きな誤算は「公的年金は現役時代の給料に遠く及ばない」という現実的な実入りの部分です。
現役を退くと、ほとんどの人は(特に高所得者だった人ほど)入ってくるお金が減ります。
それなのに出ていくお金は現役時代とあまり変わらない・・・という生活パターンの人が多く、その結果毎月の収支はマイナス(赤字)となって貯金食いつぶし人生の始まりです。
まあ、そこまで想定して生きている人は少ないと思いますが、でも、まだまだそれに近い考え方・・・もしくはそもそもその年代になった後の自分の生活のことを何も考えていない・・・という人は案外と多いかもしれません。
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例えば、仮に毎年、物価が前年比10%上がるとします。
すると7~8年後にはすべてのモノの値段が2倍になっていることになります(今現在と比べて)。
今1000円で食べられるラーメンはその時は2000円を出さないと食べれなくなります。
非現実的な値段に聞こえますが、これはアメリカやオーストラリアではすでに起きている話です。
ラーメンだけではありません。
無策のままその時を迎えてしまうと、10年後に退職したときの退職金の価値も同じように半分になっている・・・かもしれません。
それはちょっと悲惨です。
給与規定や退職金の規定においてもインフレと同じくらい毎年上がっていけば良いのですが、残念なことにそうはなっていません。
給与が上がらなければ、給与を基準に計算したり一部を原資にしている退職金や年金も上がらないわけです。
数年前に問題になった「老後2000万円問題」もあります。
報告されたように「年金2000万円問題」がそのときには「年金4000万円問題」になっているかもしれません。
笑い話のようですが、心の隅にちょっとだけでも置いておく必要があります。
もちろん、毎年前年比10%のインフレというのはモノの例えですから、現実にはそこまでのことは起こらないと思います。
でも、リスクを常に捉えてその対処を心掛けておくことは大切ですし、少しでもリスクは減らして生きていきたい(特に老後は)と思う人が多いと思います。
インフレが長く続くのは大きなダメージになります。
サラリーマンとして毎日経営のことを考えなくても給料日になればキチンとお金をもらえる生活パターンを維持できているうちに「先のことを踏まえて手を打つ」という意識を持つと良いと思います。