あるテレビ番組で、日本の100円ショップで売っている商品を外国に持っていき、まず何の道具かを当ててもらって、次に実際に使ってみてもらいその反応をみる・・・というのをやっていました。
100円ショップのキッチン道具を多数イタリアに持っていき、その商品がいかに優れモノなのかを実演していたのですが確かに優れものだと思える商品がたくさんありました。
「スゴイ!スゴイ!」と大喜びするイタリア人に面白かったのは最後の質問です。
あなたはこれっていくらだと思いますか?
5ユーロ(≒700円)くらいかな?とか、2ユーロ(≒280円)だったら買うよとか、30ユーロ(≒4200円)くらいじゃない?・・・といった声がさんざん出た後で、トドメの一声です。
72セント(≒100円)です。
「えーっ! うっそー!!!」という驚嘆の声が上がり、見ていてとても面白かったですね。
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ここにセールスの極意があります。
相手が認めた商品を相手が買っても良いと考える値段と同等もしくはそれよりも安く提供することができたら、セールスは簡単に成立します。
商品の効用を味わってもらい、「欲しい!」と思うまで値段は伏せておき、欲しくなったところで相手(お客さま)に「いくらだったら買っても良いか?」を訊ねる、というやり方です。
・・・たとえば、あるところで営業マンにイジワルな質問をしたとします。
「あなたは営業のプロだそうですね。今から目の前にあるこの缶コーヒーをボクに売り込んでくれませんか」・・・と言ったとします。
それを引き受けた営業マンは次にどうしたか(何と言ったか)?
・・・「オーケー、じゃあ君はいくらだったらこの缶コーヒーを買うのかな?」
「うーん、そうだな70円かな?」
すかさず営業マンは言います。
「よしっ、じゃあ商談成立だ。70円で君に売るよ」と。
相手が満足する購買条件(価格など)を聞きだし、その条件を満たしてあげれば(←満たせることも重要なことですが・・・)セールス成立です。
この商品の特徴は・・・品質は・・・などと商品説明をしなくてもいいわけです。
まあ、商品がどんなものかの理解が得られていなければ確かに商品説明は大切ですが、大事なのはその特徴よりもそれを手にすることによって相手が得られるメリット・ベネフィットのほうにあります。
日本では100円で売られている商品をイタリアで実演してその便利さを実感してもらい、欲しい!という気持ちになったところで相手が想像する値段よりも安い価格で提供すると瞬く間に売れてしまうようなものです。
1.何よりも相手が満足する条件を知ること、
2.次にそれを満たす提案をすること
・・・が営業では大切です。
一種のサプライズを与えて喜んでもらうことができたとき、セールス(販売)は簡単に成り立ちますね。