フット・イン・ザ・ドア・テクニック

人間は、いきなり大きな要求を突きつけられると拒否したくなるものです。

何で自分がそんな要求に応えなくちゃいけないんだ!?・・・と拒否し、そんな自分を正当化する理由を見つけようとします。

それが正常な人の思考回路だと思います。

その一方で、人は「他人に嫌われたくない」という気持ちもあるので、「できる範囲内なら何とか要望に応えてあげて、自分は善い人だと思われたい/好かれたい」という欲も併せ持っています。

そのため、要望が比較的受け入れやすい小さなことであれば、「イエス」と言って了解してしまうこともしばしばです。

でも、たとえ小さな要請であっても、それを最初に呑んでしまうと、実はその段階で「初めから言われたらとても呑めない法外な要求であっても、いつの間にか受け入れてしまえる不思議な心理状態」が心の中につくられてしまうことになります。

つくづく、人間って不思議な生き物だと思います。

→ このことから言えるのは、他人に何かをしてもらいたいなら「簡単な要求の後に大きな要求をすると通りやすくなる」ということです。

この人間心理は、営業販売や恋愛テクニックなどでよく引き合いに出されることです。

「セールスマンがドアを閉められる前に足を入れれば勝ち」・・・という営業の観点から発展したテクニックです。

「フット・イン・ザ・ドア」テクニックと呼ばれています。

小さな要求を繰り返し、大きな要求を達成することを指します。

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最近は海外に出るときに必ず「出国税」として一律1,000円取られるようになりました(正式名称は「国際観光旅客税」)。

海外旅行に出かける人にとって、その旅行費用に比べれば1000円というのはかなり安く思えてしまう金額です。

「まあそれくらいならいいか」・・・となりますし、仕事で出かける人には「どうせ会社の経費だから1000円くらい別に構わない」・・・となります。

もしかすると、最初は1,000円でスタートし、数年後には1,500円・・・やがて2,000円・・・と値上がりしていくのが容易に想像できます(まるで、高速道路の料金のように徐々に値上げしていくと人の抵抗感は薄れます)。

これもフット・イン・ザ・ドア・テクニックを応用したやり方かもしれません。

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消費税は最初の導入時にすったもんだといろいろありましたが、結局最初は「3%」と小さくスタートして、それがやがて「5%」と少し上げ、次に「8%」とまた少し上げ、さらに「10%」とこれまた少し上げてきています。

やがて「12%」・・・「15%」・・・「18%」・・・・「20%」・・・となっていくとしたら、これもフット・イン・ザ・ドア・テクニックの一例と言えると思います。

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上司が部下に残業を求めるとき、最初は「1時間の残業」と言っておき、やがて
「2時間の残業」とすり替わっていき、いつの間にか「3時間」・・・となっていくのも、フット・イン・ザ・ドア・テクニックが入っています。

このように、私たちの身の回りには「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」があふれていると気づき、引っかかったフリをしながらも留意しておくことが大切だと思います。

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澤井豊オフィス澤井 代表

投稿者プロフィール

1964年、富山県生まれ。大学卒業後、大手株式専門証券株式会社に入社。学習塾を運営する未上場会社に転職後、会社を東証2部上場および東証1部上場に導く。人事・財務・IR・総務の経営リーダーとしてM&A、会社分割、グループ経営移行を行い、社員研修においては延べ1万人以上に実施。ライフプランに沿って経済的自由を得た後、会社を50歳にて退職。

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