かつてある大手企業の社長がこんなことを言っておられました。
「社長だから偉いということはありません。社長というのは一つの機能の名前に過ぎず、胃腸、小腸、大腸といったのと同じようなものです」・・・と。
甚(いた)く同感です。会社内で上にいる者と下にいる者の違いは、役職が違うだけであり会社内での役割が異なるだけのことです。
人間性に優劣があるわけではありません。また、会社内ではともに相互依存の関係にあって持ちつ持たれつであることに変わりはないと思います。
これをカン違いして、社長だから・・・部長だから・・・一般職と違って人間的に偉い、何をしても許される、と思ってはいけないですね。
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中国の春秋戦国時代の法家である韓非の著書『韓非子』によると、上下関係の理想的な形は「上にいる者・下にいる者がそれぞれ持っている長所を認め合うこと」だそうです。
これにより、下にいるものは持っている能力を発揮することができるようになり、忠誠を尽くしたくなるとのことです。ところが、現実社会では上にいる者はただ単に自分の権力を誇示し、威張り散らしている役職者の方が多いかもしれません。
これでは逆効果です。
下にいる者の協力無くして、組織力を発揮して成果を出すことはできません。上に立つ人は常に驕らず下にいる者のことを配慮する姿勢が大切です。
上に立つ人にそれなりの「資質」が求めらるのは会社組織においては当然だと思います。