人には良い点もあれば悪い点もあるものです。
その悪い(ネガティブな)点ばかりに意識を当てて見るようになると、どうしてもその人には悪い評価を定着せざるを得なくなります。
そうした観点で人を見る傾向の強い人は、やがて「好きな人より嫌いな人のほうが多く」なり、同時に「話しやすい人より苦手な人のほうが多く」なっていきます。
その結果、孤立化していきます。
これをとめるためにはポジティブに人物評価をするように意識することが大事ですが、なかなか人のクセはそう簡単に変わらないので、ネガティブ評価→ポジティブ評価と180度真逆にいきなりもっていくのは難しいものです。
そこで、その前段階のステップとしては「事実と意見」を区分けして、自分の意見を排除して事実だけを見る・・・というようにしていくと良いと思います。
事実とは出来事そのものです。
意見は自分の主観であり、評価であり、それは必ず「形容詞や副詞」の言葉で表れてきます。
この2種類の品詞で出来事・物事・人物像をとらえていないかをチェックすると良いと思います。
たとえば、「エラそうな態度・・・」とか「素っ気ない素振り」とか、「厳しい目つき」とか「うるさい声」・・・といったものはすべて事実ではなく、自分の意見が混じっています。
事実と評価がくっついています。
たとえば「上司に厳しく叱られた」といったとき、叱られたのは事実かもしれませんが、少なくとも「厳しく」というのは自分の意見であり、場合によっては「叱られた」というのも上司から見れば「ちょっと注意しただけ」かもしれません(そういう意味ではこれも意見となります)。
何かを言い表すときの「形容詞と副詞に気をつけよう!」・・・ということです。
ネガティブな表現においては、ほとんどの場合において自分の意見が混じった事実になっていますし、同様のことは他人が言う言葉にも当てはまります。
事実を知ることは大事ですが、意見や評価を知ることは時には邪魔なことになるので、聞き分ける耳や言い分ける口を持つことが大事だと思います。